猫の記憶力

けられた?

朝起きて、体が目覚めるようにストレッチをする習慣にしています。低血圧のせいだと思うけど、朝起きてから、本当に覚醒するまで、人より長い時間がかかっているような気がして。友達と旅行に行ったときなど、朝ごはんを一口食べてようやく、
「あらっ、あなたの素顔はこんなカオ・・・」
って思うことあるもんな。それまでは、なんか霧の中を朦朧と歩いているような気分。そんな時、調子に乗ってご飯前に温泉なんかに入ると、80%の確率で洗い場で倒れるので、低血圧の人は本当に気をつけてください。


毎朝、「10分間ストレッチ」みたいなDVDを見ながら、体を曲げ伸ばししているのですが、ストレッチ中は普通に起きている感覚があるのに、終わってソファに座ってからがまた霧の中。6時に起きて10分ストレッチしただけなのに、気づくと7時です。これ、人生における多大な時間的損失だと思うんですよねえ。この消えた50分が活用できてれば、毎日、常に「時間がない」って気持ちから逃れられるかもな。


目覚ましが鳴ってベッドから起き上がるまでも、スヌーズが最低3回鳴らないと起きられないので、設定時間は5時50分です。この10分ももったいない。ただ、6時ごろになると、猫部屋から
「にゃん(開けて)」
という小さな声が聞こえてくるので、それを唯一のモチベーションにしてベッドをはい出ます。


でも、年末年始のお休みで、毎日8時ごろまで寝坊する日が続いた後は、6時の「にゃん(開けて)」が聞かれなくなりました。何をしているかと思ってドアを開けてみると、猫ちぐらでぐっすりお休み中。猫のくせに正月ボケか。それも先週あたりから、人間と同じく通常のペースが戻ってきたみたいで、ちゃんと6時に起きてくれるようになりました。


先日、そんな猫のみかんちゃんを、ストレッチをしているときに、思い切り蹴っ飛ばしてしまいました。いつもエアコンの風がいい感じにあたる、家の中で最も気持ちいい場所でストレッチをしているのですが、そこは猫もお気に入りの場所。いつもは私のストレッチを横でじーっと見ているだけなのに、その日に限って朝からねずみのおもちゃを追いかけていて、私の足とバッティング。ものすごく謝ったのですが、部屋の隅の暗い場所に逃げて小さくなってこちらを伺っています。本当にごめん。あんなに猫がちっちゃくなっているのを久々に見ました。そこからほとんど出てきてくれないのですが、たまに出てきたと思ったら、私を見てはびくっとして、また逃げます。悲しいわ・・・一番大事なものが、一番遠くに行ってしまう・・・心の中で徳永英明が流れました。


しかしそうは言っても、他の猫よりも確実にオッチョコチョイなみかんちゃん、私が出勤する1時間後には足元にじゃれついてきました。良かった。許してもらえたみたい。っていうか忘れたな。猫と暮らしている人は実感していると思うけど、「猫のタタリ」なんて絶対に嘘だと思うんですよね。万一祟ったとしても、タタリの最中に他の事に興味が移って、集中力が持続しないと思うし。


なんて思ってたら、翌日のストレッチ中のことです。アレ?猫がいない。と思ったら、2メートルくらい離れたギターの影から、方耳と片目だけ出してこちらを見ています。うーむどうやら、忘れてはいなかったみたい。
「昨日あのあたりで、何かひどいことが起こった」
くらいの記憶はあるカンジ。思ったよりも記憶力がいいのかも。それか、本能的に危機回避の能力が備わっているか。


なんて思ってたら、1週間後には、また私のストレッチを横に座って見るようになりました。たまに手でちょっかいを出してくるところをみると、これは完璧に蹴っ飛ばされたことは忘れたとみました。こうして新たにわかったことは、
「猫の記憶力は1週間もつ。いや、一週間しかもたない」
ということです。