ありがたいけどドキドキするもの

メールがまだ一般的ではなかった5年ほど前、電話で依頼を受けた航空予約は、日程表を別途印刷してお客さん宛てに郵送・またはファックスしていた。いくら口頭で確認したからと言っても、実際に目で見て確認したいという人は結構多い。ちゃんと記録に残って、後々何かあった場合にはもう一度確認してもらえるし、お互いで責任を持って記録を確認しあうという意味もある。思い込みっていうのは、いつでも誰にでも起こりえる事だし。実際、電話しながら端末をたたいていると、余裕を持って確認しながら会話を先に進める、ってことは難しい。いや、余裕を持って確認しているつもりでも、たいていお客さんは自分の話に夢中で、聞いてないので同じ事。

しかし、日程表を送った後に、「キミここが違っているよ」と言われることもある。「青木様」と書くべきところを「アオ貴様」と書いて、やんわり非難されたこともあるし。しかし、ミスの原因は、だいたい半々というところ。この時点で発覚したミスについては特に問題にはならないが、「アイツはいっつも間違えやがる」なんて印象を持たせないために、お客さんのミスだった場合は、そこを重ねて強調してみたり。

しかし、例えとんでもないオッチョコチョイ相手でも、何か間違いが起きた場合には、常に最初に自分を疑ってみる事を忘れない謙虚な人間でありたい。だが、そんなオッチョコチョイさんに限って、自分に見当違いな自信を持っていたりするからややこしい。

そんなわけで、日程表をメールで送ってから5分以内に返信されてきたメールは、ダメ出しの可能性が高いため、開けるのが怖い。しかしこのごろ、お客さん達にどんな変化が訪れたのか、震える手でクリックしたのに、「早速の手配ありがとうございます。」と感謝の言葉だけが書かれているだけの場合もある。

この場合、とってもありがたいのだが、正直言って、ちと迷惑。できれば表題に、「間違いはなかったです」とでも書いて送ってもらいたい。いまのところ、受信ボックスに「Re:」で来た表題を見ながら、ダメ出しなのか感謝の言葉なのか判断するのには、テレパシーが活躍中。当たらん。