夏時間、冬時間、猫時間

ごはんまだ?

ところで、猫には猫時間があります。


猫と一緒にすごしていると、人間と過ごしているときとは、時間の経ち方が明らかに違います。冬の日曜の午後、猫が寝ている隣で本を読みながら、猫のしっぽをさわったり、お腹をなでたりしていると、ふと気づくと違う時間の流れにはまりこんで、いつの間にか日が暮れそうになっています。なぜそこで気づくかといえば、
「日が暮れたらご飯ターイム!」
と思っている猫が、アタックしにくるから、夕方だと知るのです。猫の時計は腹とリンクしているんじゃなく、太陽とリンクしているらしい。


このアタック、最初はすりすりと体を寄せて、たまに目が合うと「にゃん」と言うだけなのですが、本に夢中で無視していると、髪の毛をがしがし噛み始めます。そんでもって「にゃん」も「にゃーん、にゃーん」となり、「ハイ、ごーはーん、ごーはーん」って、お客さんにアンコールを催促されたアーチスト気分。
それでも無視して立ち上がってトイレなどに行こうとすると、
「猫ごはんの準備だね!」
と思い込んだ猫が、飛び上がってにゃんにゃん鳴きながら、ごはんのある場所まで先導してくれるのです。かわいいー。かわいいけどめんどくさーい。


今頃の季節は日が落ちるのが早く、曇りの日などは4時ごろから暗くなり始めます。うちでは猫ごはんの時間は午後6時と厳格に決めているので、暗くなったときに始まる猫アタックから約2時間、猫の食欲をはぐらかすのが大変です。逆に夏の夕方は7時まで明るいので、猫ごはんの時間をとっくに過ぎているのに、床の上でダラダラしています。もうこのままあげなくてもいいんじゃないかと思うくらい。


でもさすがに人間の食事の準備が始まると、
「はっ、まだごはんもらってニャかった!」
と気づいて、大慌てでアタックしにくるのですが、まだ日が沈んでいないので、自信なさげ。