1泊2日の上海旅行 6

時速431kmの瞬間

翌日、時差の一時間を計算し忘れて朝の5時に起きました。なんか外が暗いと思ったんだよねー。なかなか同行者が起きないので、
「今日は時間がないのにー!このスットコドッコイ」
とイライラしながら支度してたんですが。


今日は、この旅の目的の最後、「リニアモーターカーに乗る」を実行する日です。地下鉄の龍陽路駅から出ているのですが、駅で料金表を見てもその龍陽路駅が見つからない。で、窓口のお姉さんと筆談したところ、それは略字で「犮阳(たしか、こんなカンジの字)」と表記されていたみたい。わかんねー。香港ではあまり感じなかったけど、上海では「簡字体」という漢字の略字化が進んでいるようで、「東」「車」とか、原型がまあまあわかるようなものもあるけど、「機」は「机」なんて別な漢字になっちゃってるし。同じ漢字の国なのに、もはや元の漢字を想像できない。


地下鉄に乗った時点で日曜日の朝8時。なのに車内は結構混んでます。お店はまだ開いてないし、通勤?だとしたら、平日はどんだけ混んでいるのだろう。
その龍陽駅まで20分くらい乗って、地上に上がればすぐにリニアの駅。そういえば漢字で「磁浮列車」と書いてあるからまだわかるけど、正式名称は「リニアモーターカー」じゃなく、「MAGLEV]です。切符はなぜか有人窓口でしか売ってないのですが、お客さんはほとんどいません。片道50元で往復(当日限り)で80元(1200円)、航空券を所持していると2割引きになるそうです。日本の物価にしてみれば安いけど、地下鉄一駅が3元なのから考えるとやっぱり高い。


ホームではやたらと笛を吹いて乗客を威嚇する係員がいて、ムカっ腹が立ちました。そういえば街中でも、道路の交通整理員や、公共の建物の警備員は、ことあるごとに笛を吹いては、威張り散らしていました。成熟してないなー。


電車の中は普通の新幹線っぽくて、左右3列ずつ。速度表示の電光掲示板が入り口の上にかかっています。動き始めても、乗り心地は普通。沿線は水路が張り巡らされた素朴な田舎の風景で、全く観光地化されていないのですが、降りて散策したくなるようなのどかな場所。平行して高速道路が走っています。時速350キロを過ぎたくらいで、高速の自動車をあっという間に抜かしていくのがわかります。「ガッ」と音がしたと思ったら、どうやら対向の電車とすれ違ったみたい。あまりにも一瞬です。最高時速431キロは、外の風景が田園なだけに、速さがあんまり実感できないので、電光掲示板を凝視。ほとんどの人が掲示された「431km」という文字を写真に撮っています。


浦東空港まで約7分。空港は新しいだけあってキレイです。私が個人的に驚いたのは、国内交通として「港・澳・台」といたるところに書かれていたことです。港は香港、澳はマカオだとしたら、台は台湾だと思うのです。でも台湾といえば、中華人民共和国とは違う中華民国という国家だと主張しているわけだし、ここでその議論を飛ばしていきなり国内と宣言してもいいわけ?実際のところ、中国と台湾の間には直行便すら運航していないのに、なんでそんなゲートがあるのかは、わかりませんが。


あまり長居をする間もなく、またマグレブで市内へ。出張するお客さん達は、上海あたりだと駐在員も多いため、空港への送迎はほとんど社用車。なので、マグレブに乗ったという話はほとんど聞かないし、乗り方を聞かれたこともないので、今後の仕事の上では役立たないのが残念です。