マズいコーヒーも世の中にはある

利根コカコーラボトリング限定

前に通っていた会社の近くには、『神曲』のヒロインに似た名前の、イタリア語で「速い」という意味のコーヒーチェーンがありました。まわりくどいな。毎朝、ここでカフェラテを買っていたのですが、ここのコーヒーが、私のような、貧乏な舌のものにもわかるくらいマズいのです。コーヒーだけじゃなく、ラテに入っている牛乳もマズい。なんていうのかなあ、コーヒーにあってはならない味、牛乳にあってはならない匂いがする。


しかし、よく駅前などで50円クーポンを太っ腹に配っているので、つい買ってしまうのです。確か親会社は猫にまつわる名前だったし。ほんと猫バカだな。おいしくないもんだから、お昼過ぎてもなかなか減らなくて、ある意味コストパフォーマンスは高かった。もしかしたらと思って、普通のブレンドコーヒーやココアを頼んでみたのですが、やっぱり変な味と匂いがしました。これが、腐敗臭とか酸化した油だとかならば、まだ文句のつけようがあるのですが、そうではなくて、本来のコーヒーやミルクの味の最もマズいところをあえてフューチャーしてみた、みたいな味なのです。


それなのに社内には、
「他の店のコーヒーは飲めないけど、あそこのだけはウマいと思う」
という人が数人いたので、しかも彼らは缶コーヒー派だったので、缶コーヒーユーザーに的をしぼった味にしているのかもしれない。いやいや、缶コーヒーだって、マックスコーヒーだってあんな味しないって。


たぶん全チェーンで同じ仕入れをしていると思うので、ここの店だけマズいってことは、機械に問題ありじゃないかと思うのです。フィルターとか、スチーマーのメンテナンスをいい加減にしていて、店長が変わったりしないと、その汚さに気がつかないんでしょう。
ところが、もう店長なんてとっくに変わっているばずの、数年たった先日、このお店の近くで働いている人に聞いたところ、
「相変わらずあそこのコーヒーは激マズだ」
と言っていたので、あれがあの店オリジナルテイストなのかもしれませんが。