本当に読みたい本が読めない

風の影 (下) (集英社文庫)インフルエンザでうなされていたときに見た、
「実は僕、今度ユダヤ人の女の子と結婚するんだ」
と言われてショックを受けた夢を思い出しては、悩んでいます。中途半端にリアルだったんで。


今、読んでいる、いや読まされている本は、松岡圭祐という作家の「千里眼シリーズ」。この中の「催眠」という本はドラマ化されて、稲垣吾郎が演じていて、結構面白かったという記憶があるのですが、実際は視聴率も良くなかったそうです。なぜこのシリーズを読んでいるのかと言えば、友達の一人がこのシリーズにはまっており、会うたびに貸し出してくれるのです。貸し出してくれるというか、
「いいから持ってって!」
なんて、親戚のおばちゃんが去り際にティッシュに包んでくれるお小遣いのように、強引に渡されるのです。


今のところ10冊借りていて、ようやく6冊を読み終えたところ。インフルエンザで寝込んでいる時には、絶対に本が尽きないという安心感で、結構読み進めました。
このシリーズ、典型的なページターナーというか、「次はどうなるんだろう」という興味と展開だけで読み進めさせる面白さがあります。「24」の日本女性版です。初めに想像したようなオカルト・ホラーではなく、心理学をベースにしていて、時事ネタもいい具合にまぶしてあって、読んでいるだけで世の中の別の側面を勉強することができるんじゃないでしょうか。そこそこ人物描写や、心理描写もあって、筋だけで読ませているわけではないし。私はこれを読んで、何はともあれ「踵落とし」ができるようになりたいものだと思いました。


でも、あえてケチをつけるなら、主人公のブランド選びがいまひとつダサいと思う。車はメルセデス、アクセサリーはカルティエ、メイクはディオールと、いかにもコンサバティブな感じがカッコ悪い。このブランドを身に着けているというだけで、主人公に対する思い入れが半減するわ。


そんなエンターテインメント満載な本が好きかどうかと言えば、そうでもないので、もういい加減このシリーズから脱出して、他の本が読みたいよぅ。サフォンの「風の影」をもう一度読み返したい。


でも友達に聞くと、
「まだまだ続くよ〜」
とのことなのです。どんだけえ〜!この「どんだけ〜」って今流行ってますよね。いや、流行ってないかもしれないけど、どうしても使いたいので使ってみました。会社でも使いたいと思っているのですが。
今借りている10冊を読み終えないうちに、来週会う予定なので、当分この、完全無欠の主人公である岬美由紀のライフスタイルを読んで過ごすことになりそうです。どんだけぇ〜。