漢方はゆるやかに効いています

定期的に通っているお医者さんは漢方医でもあり、西洋医学だけではなく、東洋医学の見地からもいろいろアドバイスをくれたりします。


しかし今では数少なくなってしまった小児科医でもあるので、この時期に行くと、風邪をひいた子供達とその付き添いの親御さんで、待合室は座れないくらい一杯になります。そんな中、ただ検診に来ただけの元気一杯な私など、その中ではスイス航空のLクラス並みに一番プライオリティが低いと思うので、申し訳ないような気持ちで控えめに待ち時間を過ごしています。


その先生は日本人なのですが、中国で生まれ、アメリカに留学したりしているので、たまに言葉が聞き取り難いことがあります。発音や言葉は普通なのですが、とにかく早口なのです。でも、治療に差し障りがあるほどでもなく、まあ、差しさわりがあるとすれば、
「じゃ、べろのいろみせて」
と早口で言われて、べろが舌のことだと気付いてあわてて舌を出す頃には、もう先生、カルテとか見ちゃってることかな。そうなるとまるで私が先生に不満で、こっそりアカンベーをしている図みたいになっちゃってるしな。


漢方医の診察の仕方として、診察室に入ってきた時から、顔色や姿勢などを見て、体調を判断するそうなのですが、この先生、診察をする前に必ずお世辞を言ってくれるのです。本気はもちろん、最近ではお世辞すら言ってもらえないので、一語一句を聞き逃さずしっかり心に刻みたいと思うのですが、なかなか聞き取れなくて、先生も、そんな治療の本質とは関係ないことはどうでもいいと思っているので、いつもより早口だし。一体今日は何を誉められたのか知りたい。


他の人にも同じお世辞を言っているかどうか、診察室の外で聞き耳を立てているのですが、そういやここは小児科なので、
「掛け算できるんだ。頭いいね〜」
なんていうのを聞いても参考にはならないな。