十代の曲はたくさんあるのですが

30代後半から40歳ともなれば、自分のためかと思うような曲をBGMにして、その年を特別な過ごすことができます。って何を言っているかと思うでしょうが、同じ年の友達にも吹聴しまわっているので、まあ聞いてください。


まずいきなり38歳からです。38と言えば、「38 SPECIAL」じゃないですか。この時点で同じ年の友達ですらポカンとした顔をするので、あえて説明しますと、「サーティエイト スペシャル」と読むこれは、フロリダ、ジャクソンヴィルのバンド。
サザンロックと呼ばれる泥臭い音楽をやっていたのですが、80年代初頭に、「Caught Up In You」という曲をリリースして、それが今までの作風とは全く違った、カッコいい曲で、たちまち全米ナンバーワンになりました。他の曲は一曲も知らないのですが、未だに有線などでこの曲がかかると、
「38スペシャルがかかっているのでちょっと待て」
と友達の話をさえぎってまで、曲に聞き入ってしまいます。
この38スペシャル、本当は.38 Specialと表記するらしく、スミス&ウェッソンの38口径の銃のことだそうです。なんかアメリカ。


39歳といえば、QUEEN「39」という曲です。「A Night at the Opera」の中の一曲で、アルバムの他の曲がボヘミアン・ラプソディに代表されるような完成度の高い豪華なコーラスワークなのに対して、「39」ブライアン・メイがリードを取る素朴でノスタルジックな曲。この全体的にゴージャスなアルバムの中で、埋もれ気味かと思えばそうでもなく、クイーンの曲人気投票などで、結構上位に入っているのを見たりします。実際に歌われているのは、1939年のことのようなのですが、そんなの関係ないやい。


40歳といえば、U2の「40」。40というのは聖書の詩篇40「開かれた耳」にインスパイアされた曲なんだそうです。このクリスチャン臭さがいやで、クリスチャンではないメンバーの一人が、バンドを脱退してしまおうかと思ったそうです。しかし、聖書の内容と思わずに聞いても、「新しい歌」についての、前向きな美しい曲。人生の半分は終わってしまったであろう40歳には、ぴったりな内容だと思うのですが。


これで40までは順調に進めるのですが、その後41以降の持ちネタがありません。強いて言えば、Dave Matthewsの「#41」くらい。このあと強烈なものがあるとすれば、69歳まで待って、ブライアン・アダムズの「Summer of 69」をマイBGMにして、69歳の夏を熱く過ごすことくらいしか思い浮かびません。今後、スピッツあたりが「五十路前」「不惑の星」なんてシングルを出してくれないかしら。