民族衣装は着やすい方がポイント高い

旅行中、何度も思い、掲示板にも書いたのですが、アラブ人観光客が増えたような気がします。


昔からアラブ人観光客と言えば、
ローザンヌレマン湖に面した高級ホテルを、ワンフロアまるまる借りて、一族と召使を泊まらせる大富豪」
や、
ジュネーブの宝石店の、ショーケース一個分をお買い上げになったオイルダラー」
などの、豪快なお金持ちが思い浮かびます。


しかし、このところのアラブ人観光客は庶民の家族連れで、私達が泊まるようなお手ごろホテルに泊まっているのを良く見かけます。このところ、って言うか、今年はものすごく目立ちます。あのアバーヤを来た成人女性と、ヒゲの男性、そしてアラブ人らしい端正な顔をした子供達が2、3人。焼きソーセージなど食べていないか、ビールをジョッキで飲んでいないか、こまめにチェックしていたのですが、そんな不心得者には会いませんでした。


ところで、アバーヤの下は結構ハデな場合も多いらしいです。ピチーッとした赤いミニのワンピースだったり、ジーンズにTシャツだったり、見えない所にこだわるオシャレさんか、動きやすさ優先の実利主義者かによって、中身もいろいろ違いそうです。


確かあの格好は、「男性を誘惑しないため」とかいう、男性の弱さ前提な掟によって、女性が着させられているものだと理解していたのですが、スタイルを問わず誰でも素敵に見えてしまうので、むしろ逆効果な気が。本当の意味で、男性を誘惑しない格好は、上下トレーナー姿だと思うのですけど。


民族衣装と言えば、ドイツやスイスのちょっとオシャレなレストランで、ウェイトレスさんが来ているチロル風な衣装も誰でも似合っていました。白人なら。白い木綿のブラウスに刺繍をしたベスト、くるぶしまであるフレアスカートというスタイルです。あれ、かわいいですよね。


昔、ツアーを企画する仕事をしていたときに、
「スイスの草原で、民族衣装を着て、写真を撮る」
というプランを考えたことがあるのですが、企画を練る段階で、
「日本人に合うサイズの民族衣装が少ない」
という理由で頓挫しましたわ。
「日本で作っているスイス風な民族衣装を、スイスに送って、いかにも現地で調達したように見せてはどうか」
という本末転倒な案も出されましたが、結局取りやめ。今思えば、あのスタイルを着こなすには、背の高さと、ある程度の肩幅が必要な気がします。