秋の終わりも捨てがたいのに

なぜこの時期に旅行に行こうかと思ったかというと、顧客の企業がこの時期からお盆まで長いお休みに入るのです。外資系の企業なんかは8月に入ってからは、ぱったり電話が来なくなるし、日本の企業でも、商談に行っても相手企業の担当者が夏休みなので、出張してもしょうがないらしいですし。


9月はその滞っていた出張が一気に滑り出して大変な忙しさになり、7月は外資系の駐在員のホームリーブの手配などで忙しいし、やっぱりこの時期が、自分の旅行にとっても一番都合が良かったのです。


ところで、外資系会社の日本駐在員が、本国へ帰るホームリーブの手配は、心底めんどくさいのです。まず、アメリカ人は子沢山なので、全員のスペルをもらうのも一苦労。そして、幼児用のバシネットやら、チャイルドミール、全員が気に入るような席の指定など、ひとつの記録に対して気を使わなければならないことが、いつもの5倍は発生します。


また、アメリカ人はユナイテッドが好きなので、かなり前からユナイテッドを予約しておくと、季の変わり目などに突然大胆な時間変更を行うのもユナイテッド。日本からの便に乗り継げなくて、何度全員分の取り直しをしたことか。本国へ帰るとは言っても、自分の実家に帰るだけでなく、ヒルトンヘッドだの、マーサズヴィンヤードなど、今まで聞いたこともなかった、アメリカ人に大人気のリゾート地までの予約もさせられます。


自分たちの旅行では、航空機も行き当たりばったりの、限りなくスタンバイチケットに近い状態で行くため、取れたときが行き時。本当は土曜日に出て翌週日曜日に帰るのが、一番理想的だと思うのですが、そんな理想はこの時期叶えてもらえません。
7月の終わり頃から同僚に、
「8月1日発かもしれません。取れたら」
「8月2日発かもしれません。取れそうなので」
「9月3日発かもしれませんので、8月出発は忘れてください」
と、毎日違った事を言い続けてきました。
そのたび最初は真剣に取り合ってくれた同僚も、最後の方では、
「いつでもいいから、決まったら言ってくれ」
と、つれない返事。
プ〜だ。