耳に聞こえない部分に何かがある

AVALON-REMASTERED最近、生まれて初めてネットで曲を買いました。


昔好きだったけれど、今じゃアマゾンでもHMVでも,もはや検索しても出てこないグループの曲を無性に聴きたくなったのです。そういや、ブレイクしていると私が思っていた90年代当時でさえ、CDショップにないこと多かったしな。21世紀に在庫があると期待した私が、間違いだったか。


ところで、私、今細心の注意を払って「CDショップ」と書きました。
うっかりすると今でも「レコードが・・・」と言ってしまうので、常に「あれはレコードじゃなくて、アルバム、アルバム・・・」と暗示をかけながら生きています。
このあいだ、20代の人達と話しているときに、
「あっ、今、レコードって言いましたよ」
と余計な指摘をされたので、
「レコードじゃない!『記録する』という意味の、『ゥリコゥドゥ』って言いましたっ!」
と、巻き舌で逆切れしてみました。アクセントは「コ」にありよ。


レコードからCD、MD、MP3と進化してきたけれど、やっぱりレコードの方が音が豊かで深くて力があったと思います。そんなはずはないって良く言われますけど。どっちみち人間の耳には聞こえない音域をカットしているので、音の違いがわかるはずないとか。レコードを聴いていたときの方が、感受性が高い時期だったからっていうのもあるかもしれないし。


ROXY MUSICに「AVALON」という曲があり、これを聞いた当時は、
「なんて美しくて幻想的な曲なんだろう」
って思ったのに、その後社会人になってCDで購入したら、びっくりするほど心に響きませんでした。


しかしその後、ソニーが限定生産で出していたCDプレイヤーで聞いたら、若かった頃の感動がそのまま蘇ってきました。このプレイヤー、ジウジアーロがデザインしたという、当時の私には気絶するような値段のものだったのですが、CDの音が美しく聞こえるようにイコライザーをかけている(たぶん)のだと思うのです。


ほとんどのCDに同じように魔法がかかるのですが、それでも90年代に買ったデフ・レパードの「パイロメニア(邦題:炎のターゲット)」のアメリカ盤CDでは全く何の効果もなしです。思い出しましたが、80年代後半から90年代にかけて製作されたアメリカ盤のCDは、悲しくなるほど音が薄っぺらいのです。人間の耳には聞こえない音域どころか、聞こえる音域も大胆に2,30%カットしているんじゃないかと思うくらい。