街宣車のオペレートという仕事

去年のことですが、私が勤めている会社の近くの企業が、右翼の標的になっていました。


改造ワンボックスのワゴンにスピーカーを取り付け、車体に日の丸や勘亭流の文字で、「大日本○○党」とか描かれているアレです。あの人達が、どのくらいの真剣さで世直しをしたいと願っているかはわからないのですが、あのたたずまいだけ見ると、ふざけ半分なのかと思ってしまいます。運転者なども、限りなく戦闘服に似たものを着ているし。普通にしてはいけない決まりなんでしょうか。


一応彼らにもスケジュールがあるらしく、朝10時にご出勤。テーマソングの軍歌っぽい音楽が流れてくるので、時計を見るとちょうど10時。社内便の締め切りが10時半なので、時計がわりに使わせてもらっていました。しかしそんな彼らも、たまに20分くらい遅刻してくることがあり、こちらは大慌てですわ。
「昨日飲み会だったんだな」
と、同情してあげたりしていました。心なしか、音量も控えめだった気が。


10時から4時まで、ずっとその会社の前で、その会社を糾弾する何かを叫んでいるのですが、あまりに声が割れていて聞き取りにくいので、最後まで論点がわからずじまいでした。街宣車界では、オーディオ類はまだカセットテープを使ってるんじゃないかしら。意外と車載用ipodを使っているのかもしれないけど。いや、それはないな。


たまに、朝10時の登場の音楽が演歌調になってたりして、彼らの中でも音楽的嗜好の違いがあることを感じさせます。まあ、どっちにしてもテープの音が割れているので、何の曲が良くわからないんですけど。


たぶん、彼らの狙いは、世直しより先にお金だと思うんですけど、あんな脅しに誰が乗るのかと思っていたら、銀行に勤めるお友達は、
街頭宣伝車が来たと思ったら、支店長がお金を渡しに行ったらすぐに帰った」
と言ってました。やっぱりお金なのかい。