創作意欲に燃える春

カナダの小説を読んでいると、主人公の小説の先生が、
「春は多くの駄作に責任がある」
と言っていました。確かに春になると、どんな凡人でも創作意欲がかきたてられがちかもしれません。


そんな創作意欲にとりつかれた私が、新しいオーブンレンジに目をつけないはずはありません。あーなんか作りたい。お菓子の本などを開いてみましたが、考えてみれば、今までのオーブンでも製作可能だったものが、新しいオーブンが来たからといって、改めて挑戦するとは、我ながら思えないなー。初めて家にオーブンが来た小学生の時には、クッキーを山ほど焼いたり、シュークリームを山ほど焼いたり、今から考えると、周囲のオトナたちにとっては、迷惑このうえないことをしていたな。


ネットで検索していると、「ゆでたまごクッキー」というものを見つけました。形もゆで卵のようなクッキーで、卵の黄身を練りこんで作るのです。おいしそうなうえ、失敗も少なそうなので、試しに作ってみました。ちゃんとおいしそうに出来ました。


まだ創作意欲が静まらないので、気に入った布で、家で着るワンピースを作ってみることにしました。ミシンを出すのが面倒、というクリエイティブな人には考えられない理由で、手縫いです。手縫いって、出来上がりはともかく、テレビを見ながらとか、音楽を聴きながら、ちょっとした時間にできるので、私のような無精者にはピッタリ。高橋恵美子先生の本などでチェックして、これぞという、型紙取りがめんどくさくないものを選んで・・・ってもうこの時点で、ソーイングの負け組って気がする。


さて、布を広げたところで、ん?なにかしら、このモコモコしたものは・・・。うっかりしてたけど、家には、段ボールを開けたり、布を広げたり、新聞を広げたりすると、何かしらちょっかいを出してくる生き物がいるんだったわ。布の下でモゴモゴ楽しそうだねえ・・・こらっ!


怒られても特にヘコむ様子もなく、猫は当たり前のように布のど真ん中に座って毛づくろい。どくように頼んでみたのですが、聞いていないので、羽交い絞めにして退去させました。その後も、チャコペンを追いかけたり、定規に飛びついたり、邪魔だったらありゃしない。なんかこれは、いつまでたっても完成しないような気がする。