鎌ヶ谷という実はおしゃれな街

先月のある夜、東武野田線というローカルな電車に乗っていました。この電車は船橋から大宮まで走っているのですが、大宮の友達は、この電車を無視しており、うちに遊びに来るにも都内を通ってきたがります。一本でいけるとはいっても、快速もなけりゃ特急もなく、一部単線だったり、駅が30個以上あって、所要時間が1時間半かかるしな。

その電車から見えたのが、タイレストランの看板。それは「鎌ヶ谷」という駅の近くでした。私がひそかに、名前で損していると思う市のひとつ、鎌ヶ谷。夜だったので、はっきりとは見えなかったのですが、天井の高い三角屋根と電飾がタイのリゾートっぽい。しかし、ここは鎌ヶ谷。どうせファミリーレストランが、トムヤムクンやタイカレーの一品二品をメニューに入れたくらいで、「タイレストラン」と名乗っているに違いないと思いました。

家で調べてみると、どうやらそのレストランの名は「博士タイレストラン」というらしいです、あーもう名前の時点でB級っぽい。ラーメン大学とか、頭脳パンとかと同系列のにおいがします。しかし、場所を調べて次の週末のランチに行ってみました。もし夜行ってハズレだったら、代案が白木屋か庄屋しかなさそうな気がしたので。

駅から二分、船取線沿いでもあり、立地はまあ良い場所。建物は意外と本格的なタイ建築の広々とした民家。中の天井も高く、地方都市にありがちな、中途半端なコンセプトではなく、本物にタイです。待合室には、博士の銅像が。この博士、オーナー一家のお父様だそうで、本当に医学博士。その子供達も博士号を持ち、博士の名はシャレじゃなかったみたい。

しかも、タイ政府公認、タイ大使館指定って!だってここは鎌ヶ谷よ。
もしタイから要人が来たとしても、大使館の人が、
「いいタイレストランがあるんですよ」
と言って、鎌ヶ谷まで連れてくるなんてこと、ないような気がするんですけど。
高速も通ってないし。私が要人なら、
「かっ、鎌ヶ谷て」
と言いますわ。いえ、まず鎌ヶ谷なんて地名も知らないでしょうが。
しかし、そんなにバカにしたもんじゃないです、鎌ヶ谷