外が暖かいと中も寒い。外が寒いと中もやはり寒い。

空調の話にはまだ続きがありました。

一応私の事前の情報収集によれば、彼女の位置からは、パーティションでさえぎられて、扉を開ける人間が見えないとのこと。しかし、そのパーティションは中途半端に背が低く、かがまないと顔がわかってしまうため、中腰になって扉を開けて、冷房を切って、また扉から出て中腰で自分の席まで戻る、という怪しさ100%な動作をしなければできません。

そこを、友達に見張ってもらいながら、取りあえず扉にたどり着いて、冷房を切るまでは成功しました。切る時も「ズココココゥゥゥ」なんて、意味不明な音が。っつーか、なんで冷房のつまみが思いっきり「冷」の方に回されているんだい。まだ3月の始めだよ?

しかし、その後なんですが、たまたま私に用事があってオフィスにやってきた男性と、扉の前で遭遇するという失態を犯してしまいました。もちろん私は中腰。このままほっかむりをしたら、いつでも泥棒に入れる体勢です。

しかし、今、立ち上がったら私の顔が彼女から丸見えになるため、決して体勢を変えるわけにはいきません。中腰で、しかもヒソヒソ声で話をする私に何を見たのか、何の用事かも語らぬうちに、彼は逃げるように帰っていきました。いけない、また私のファンが減ったわ・・・。

そんなに努力をしたにもかかわらず、そこから中腰でそそくさと自分の席に帰る私の背中に、おばさまから、
「あら、寒かった?」
との声が!
口調は柔らかかったのに、目は「キッ」となってました。水の泡とはこのことか。