チョコレートの誘惑

私の勤める会社は純日本風な会社。ハンコ大好き、回覧大好き、女性社員は「女の子」と呼ばれる風土です。ところで、このあいだ「純ココア」を入れたときに、『最近「純」といえば、小泉純一郎を連奏するよね』、と、同居人に言ったら、
「いーや、井上純だ。あと、ええと、青春ドラマに出てた、い、井上純一とか」
と言って譲りません。北の国からの純とか、石田純一とかあるだろうに、なぜ井上純一を?

その純日本風な会社、唯一の救いはバレンタインデーの習慣がないこと。日本風なだけに絶対あると思っていたのですが、むしろ日本風過ぎてないらしい。しかし、いつもお世話になっていたり、迷惑をかけていたりしたら、こういう機会に感謝を表明するのもいいことです。でも、お世話にもなってないしな。今年も無視だ。

この時期に、うっかりデパートのスイーツのコーナーに行ってしまうと、バレンタインデーの買い物に来た女の子にもみくちゃにされます。
毎年、お友達が、
「バレンタインデーの買い物に一緒に行こう!」
と誘ってくれるのですが、私なんてあげるとしても最大1人だし、あの人ごみの中にいると何だか悲しくなってきます。と、毎年断っています。なんだろう、あの物悲しさは。

でも、この時期だけ、郊外にあるチョコレート専門店などが、デパートに臨時出店していたりして、普段買えないチョコがたくさん売っているので、素通りできません。日本の、この時期限定で、お試しサイズみたいな小さなパッケージで売ってくれたりするし。ピエール・エルメではバレンタインデー特別マカロンなんてあったりするし。こういうのって、男性にあげるよりも、普段チョコレートを食べ慣れてて、違いがわかる女性にあげたい。

今年私が狙っていたのは、BABBIというイタリア・チェザーニのチョコレートメーカー。これ、セレブ御用達なんて言われてたので、ぜひとも食べてみたいと思ってました。今年のカタログを見ると、なんか去年より弱気になって、安めな価格帯。確か去年は、アクリルのケース入りで8000円くらいだったのに、今年、は、はっぴゃくえんですか?

一応お店のショーケースの前で、0の数を何度も指差し確認。ハート型のフェルトの入れ物に入っているとはいえ、チョコ一個(しかもウエハースチョコ)一個が800円ってーのも、まあ高いとはいえるのですが、とりあえず手が届く。

続く