猫のみかんの顔つき

先日、夕食の支度をしているときに、できたお惣菜から、テーブルの上に置いてゆきました。その日のおかずはラタトゥイユ、っつーかトマトの煮込みが中心だったので、猫が欲しがる気配はありません。

もしこれが鮭だったら、調理中から鋭く監視されています。もし、一切れでも床に落とそうものなら、瞬間移動で足元にきます。なのに、そんな時に限って信じられないような偶然が重なり、床に鮭を落としてしまうことが、猫の監視下ではたびたび報告されています。超能力か?

その時、突然思い出しました。ラタトゥイユの中にベーコンが入っていたことを。何か不穏な気配がしたので、
「ちょっとみかんちゃん、テーブルの上に乗ってるでしょ!」
と言って振り向いたら、あれれ、ちゃんとテーブルの下にちょこんと座っていました。
っていうか、
「何もしてないもん!ばかー!」
って、不満そうな顔をしていましたわ。

たまに、みかんの前でみかんにケチをつけることがあります。例えば、前々から気になっていたのですが、毛づくろいする場所が偏っているんじゃないかい。前足の裏側とかは完璧なのですが、肩甲骨のあたりはいい加減。猫用「毛づくろいテスター」というものでもあれば、毛づくろいの先生に注意されると思います。

と、いうようなことを話していると、
「今、みかんのこと話してるでしょ・・・」
とでも言いたげな、不安そうな顔をして見られます。この不安そうな顔、
「じゃ、そろそろ出かけるか」
とか
「今年の夏はどこに行こうか?」
とか言った時と、同じ顔。

テーブルの上は、「ここは乗っちゃダメ」と言い聞かせているので、滅多な事では乗らないのですが、たまに何かの拍子で乗って、落ち着いているみかんちゃんを見てしまうことがあります。そんな時、
「こらー!」
と言うと、
「へ?」
という顔で一瞬見た後に、あたふたとテーブルから降ります。あー、このあたふたっぷりがおもしろい。