ストラップには社名まで

私は入館証が大嫌いです。首からぶら下げているIDのアレです。バッグを変えたときに、入れ替え忘れてしまったり、お昼に味噌汁の中にとっぷり漬けてしまったり、今まで何度も失敗しました。

忘れた時は、「忘れた人用IDカード」をつけなくてはならず、それがまた罰のような真っ赤なデザイン。姦通罪なの?ホーソーンの「緋文字」という小説では、17世紀のボストンで、姦通の罪を犯した者が、胸に赤でAの文字を刺繍した服を着なければいけなかったのです。

警備員室でこのカードを手渡された時は、
「二度とIDを忘れない」
と誓いました。忘れましたけど。

どうせIDカードで、電子ロックがあくってわけでもないので、何枚かカラーコピーをとって、予備として持っていたい。

会社で2時ごろ、眠くて眠くて仕方なくなり、トイレに行っても、廊下を「眠気を吹き飛ばすウォーキング法」としてデューク更家が紹介している、妙な歩き方で歩いても、眠気が取れないときがあります。このウォーキング法を人に見られたら、その人の眠気が吹き飛ぶくらいの、宇宙人的な歩き方なのですが、こんなときに限って誰にも会いません。先日、その妙な歩き方で歩いていたら、首に掛けたIDに腕がからまり、首が絞まって大変なことになりました。

私は、なんとなく気恥ずかしくて、できるかぎり会社に近づいてから首に掛けるようにしているのですが、先日、電車を降りると同時にIDを首にかける人を見ました。
「どこの会社の人よ?」
と思ったら、自分の会社の入館証じゃありませんか。愛社精神君だなー。