線路に食べ物が転がる

先日のことなのですが、電車から降りるときに、
「私が持つよ」
「いやいや私が」
と、美しい夫婦の譲り合いをしていたら、その買い物袋が、まるで狙っていたかのようにホームと電車の間に、ストーンと落ちました。

2人ともシーンとしながら、駅で電車が出るのを見送って、駅員さんに相談しに行きました。敷石の上にゴロンと転がる袋の中身は、枝豆です。もう旬は過ぎてしまったけど、枝豆って自分でゆでると本当においしいですよね。そう思って、2袋も買っていました。子供たちが面白がって線路を覗き込んでいるのが憎らしい。

あーなんでスモークサーモンや、キャビアなどの高級食材を買っておかなかったか。いえ、もしそんなものを落とした日にゃ、線路にダイブして自ら救出に赴きますけど。

やってきたのは若い駅員さんです。駅の柱に備え付けてある、マジックハンドみたいな器具を取り出して、取る気マンマン。こんなに若いんだから、きっと
「線路に落ちた物を拾う講習」
の記憶もまだ新しいに違いありません。

このマジックハンドって、昔入院中に父が購入しては、テレビをつけたり、ゴミを捨てたりするのに活用しておりました。なかには、「自分で動いた方が早くて楽なんじゃ・・・」と思うようなシチュエーションもありましたが。この駅員さんは、うまいこと拾ってくれました。あなたのやりがいのためにも、中身が枝豆じゃなかったらと思います・・・。

それにしても、落としたのがJRの線路で良かった。これが、地下鉄の線路だったら、汚くてワケのわからん液体がべったり付いてしまったとこよ。地下鉄って、でっかいネズミがいますよね。特に表参道の駅では、はしゃいでいるネズミを何度も見ます。やみくろの基地も近いしな。また、これがスイスの田舎の鉄道だったらいいかと言うと、トイレがじかに線路に流れる方式だったりするので、こりゃまた問題。