海外で日本食ニアミス体験

海外でどうしても日本食が食べたいと思うことはないのですが、おにぎりはたまに食べたくなります。なので、機内の軽食で出たおにぎりは、食べもしないのに毎回持ち帰り、ホテルで捨てるハメになったりします。

今回は、両親も一緒ということもあり、途中で、
「もうチーズとパンには飽き飽きだ!味噌汁を飲ませろ!!」
なんつって言われてもいいように、日本食レストランなどを事前に調べておきました。いえ、そんなにわがままな両親では、ないのですが。

10年ほど前の夏、帰国してから、突然「だし」の効いたものが食べたくなり、蕎麦屋さんにざるそばの出前を頼んだことがあります。心待ちにしていたのに、そばはノビてるわ、つゆは醤油辛いわで、機内食で出る、「日本風味」という名の茶そば以下の味。それ以来、日本の日本食といえども、過度な期待は抱かないようになしています。あれじゃ「かつお風味のほんだし」の方が、よっぽどいい味出してるわ。

でも、海外の日本食というのにも興味があって、一度は食べてみてもいいかな、と思ってました。と言うのも、会社で出張者の海外精算書を見ていると、世界中のあらゆるところの日本料理店で、べらぼうな交際費を落としているからです。中にはレシートが添付されているものもあり、
「TAKO-SU」
などに大枚10ドル払っていたりします。出張者が言うには、現地に駐在していて、なかなか日本食が食べられない人のための接待として、わざわざ日本食レストランを選んでいるのだとか。

ツェルマットで見た日本料理店では、冷奴が確か10フラン。おおよそ900円です。ただの豚の生姜焼き定食に、3000円弱・・・。
たまたま同じように、店頭のメニューを見ていたアジア人が、
「メニューにテンプラはありますか?」
と聞いてきたので指差すと、あらら5000円近く・・・。
「日本でも食事はこんなに高いのか?」
と、もっともな質問が。いーえ、日本でこれをやったら、一般的には「ぼったくり」と言われますわ。英語で表現できなかったのが残念です。

しかし、材料が手に入りにくいとか、料理人がいないとかいう事情はあるのでしょうが、日本食が普及するには、まだまだ高いハードルがあるのだな、と思いました。