掏られても、中味はショボかった

半年ほど前、金曜日の夜、地元のデパートでレジに並んだ時、財布がないことに気づきました。

冷静にバッグをさらってみても、やっぱりない。お昼は、昼用のバッグにお財布を持って出かけるので、そのまま会社に置いてきてしまったかも。いや、それか、帰りの電車の中で掏られたのか。そういえば、となりに立った男が妙に怪しかった気が。中身はどう多く見積もっても6千円・・・しかも、そのうち千円の新札を5千円札と見間違えてなければの話。新札の千円って、微妙に茶色が入っていて、5千円札と間違えます。

急いで会社に電話をかけると、残業中だった、調子の良い男が出てくれました。出てくれたのに文句は言いたくないのですが、あなた以外の誰かが出てくれることを祈ってました。財布が私の机の中にあるかどうか確かめてもらうと、あったそうです。あーよかった。

そこで終わればいいものを、中身まで確かめるといって聞きません。いえ、いいですっていうのに、
「入ってるよ、二千円!」
って、恐らく会社中の誰もが聞こえる声で!っていうか、やっぱりあれは千円札だったのかい。ショック。

財布は土日に使わなくても平気なんだけど、気になるので警備員室に預けてもらって、取りに行こうかとも思いました。しかし、以前同じことを会社の人がしたら、警備員さんが、
「ここに取りに来る人の名前と、預けるあなたの名前を書いて、社員番号と携帯も念のため書くように」
と、厳重な警戒ぶり。安心して預けたはいいのですが、その後持ち主が警備員室に財布を取りに行くと、名前すら聞かれず、
「あの、財布・・・」
と言っただけで財布を差し出されたそうです。信用できない。結局金庫の中に入れてもらいました。二千円なんですけど。

で、先週の金曜、またまた財布を会社に置き忘れ。でも、運良く気づいたのがブックセンターでだったので、取りに帰れば誰にも気づかれずに、財布を手に入れられるかもしれません。その日は雨が降りそうだったので、傘を取りに帰ったようにも見えるし。まさか同じ間違いを二度もするなんて、誰にも知られたくないもの。

と、思ったら、会社のまん前で、今から飲みに行く雰囲気の男性の一群に会いました。やな予感。と思ったら、
「あれーどうしたの?財布忘れちゃった?忘れちゃった?」
というひときわ大きな声が。今、世界中で一番私が出会いたくなかった、例の調子の良い男でしたわ。