素敵なマスク

マスクをしていると、匿名性を得た気がして自由な気分。ずっとマスクをしているなら、目から下のお化粧をいい加減にしてもいいかなー。それに、歩きながら音楽を聴いていて、ついうっかり口ずさんでも誰にも気づかれないのはいいねえ。プロモーションビデオ気取りで、歌いながら街を歩いてみます。あー調子に乗って踊っちゃダメダメ。

朝の通勤電車で、たまに「仲良しのおじさん同士」と一緒になります。彼らは、話を盗み聞きする限りでは、会社の上司と部下。話は会社の人の噂話とゴルフのみ。どうもこの2人、わざわざ乗車口を合わせて、半分待ち合わせのような感じなんですが、会社でどんなに仲良い人でも、朝の通勤電車まで一緒にいたいでしょうか。ここんとこ、男の友情っぷりが良くわかりません。

それはともかく、この二人、前日の飲み会の焼肉屋さんでも一緒だったらしく、朝からにんにくとしょうがを漬けた汁が腐ったような匂いがします。そんな時、
「マスクをしといてよかった!」
と思います。舌を出してもわからないし。眉間の皺は、バレるかな。

ところで昨日、私のところに来た人を見て、会社のおば様が、
「彼はマスクがいいわねえ」
と、わざわざ言いに来ました。マスクしてなかったですよ?まさか世界初、透明マスク?んなわけないか。

彼女が言うには、
「彼が入社した当時、女の子達が騒いでねえ」
とのことです。マスクって、「甘いマスク」とかのマスクのことね。う〜ん今は使わないかもねー。それより、その彼のマスクの良さには、今まで全く気づきませんでしたわ。

そういえば、去年の今頃、とてもかわいい新入社員が入ったとの評判で、私もその課に行くたびにその新入社員を探しておりました。社内報の写真では、釈由美子似の清楚な美人。ところが、いつ行ってもそれに該当するような女の子はおりません。

辞めてしまったのかと思い始めた6月ごろ、突然その釈由美子似の女子社員が受付に座っていました。っていうかこの人、この間までマスクして眼鏡かけてノーメークで、髪をガチガチに固めていた人。花粉症シーズンが終わり、ようやく本来の美しさを取り戻したようです。