ファスティングのあとに、いちご大福

入院して絶食を強いられていた時に、一番食べたかったのは、「お好み焼き・たこ焼き・いちご大福」。つくづく自分が庶民だな〜、それも完璧に日本人の庶民だと思いました。こういう時、「『はれま』のちりめん山椒を、『打田』の漬物と一緒に食べたいわ」なんて、さらりと言えればいいんですけど。または、「ボルドーの赤を、塩がきつめのパルミジャーノで」とかでもいいか。

隣の女子高生は、
「マックが食いたい」
と言ってました。アラ、こんなとこでも年代差を感じてしまうわ。マックなんて、オトナになってからは食べたいものリストの、100番目くらいなんですけど。

ところで、女子高生が5人くらい集まってしゃべっているのを聞いていたら、1人は「オレ」、そしてもう1人は「ワシ」って言ってました。「〜だぜ」とか、「〜だろ?」とかも連発してました。こういう男言葉が、カッコいいって思う年代ってあったなー。でも、だんだん周りの女友達から飽きられてウザがられて、しまいには女性の言葉に戻ってゆくものです。

去年、「ファスティング」という、週末だけの断食でダイエットする方法が流行ってました。
その体験談を読むと、
「三日目に初めて口にしたおかゆが、おいしくておいしくて。こんなにご飯っておいしいんだなあって思いました」
と、書いてありました。私も点滴しているとはいえども、三日間断食と同じ状態。看護婦さんも、
「絶食後の最初の食事には、みなさん感激なさるんですよ」
とうけ合ってくれました。

きっと、おかゆの最初の一口は素晴らしいものに違いない。と、わくわくしていましたが、実際食べてみると何の変哲もない普通のおかゆの味。
看護婦さんには、
おかゆの味って深いです!!」
って言っておいたんですけど。
感性までもが鈍ってしまったのではないかと、とっても心配です。

で、退院から2週間。お好み焼きとたこ焼きは制覇したんですが、いちご大福はまだ食べておりません。そうこうしているうちに、いちごの旬を逃してしまったらどうしよう。かといって、せっかく食べるのに「ヤマザキの『いちご大福』みたいなハンパなのは、食べたくないしなあ。