丸の内で猫のためにチューリップをもらう

この間の金曜日、丸の内カフェの前でチューリップが配られていました。丸の内って、私が勤めていたときは全然面白くない街で、ユナイテッド航空の下にある喫茶店で、「ジェントルマンパフェ」が食べられるくらいの楽しみしか、なかった気がします。

当時、国際フォーラムはまだ建設中。丸の内にあるビルは、オフィスはOAフロアじゃないし、空調はテナント単位ではなくビル単位だし、トイレも古くて汚くて和式だし、立地以外いいことなんて何一つありませんでした。航空会社のオフィスや観光局は、当時丸の内に集まっていたのでとっても便利だったんですけど。

土曜日出社の日なんて、街自体が死んだよう。日曜日にたまたま通ってしまうと、まさにゴーストタウン。心の中でビりー・ジョエルの「アレンタウン」が流れていました。

今、たまに丸の内に行くと、行くたびに変わっていてビックリ。新しい飲食店やブティックなど、商業スペースも充実して、週末にも賑わう町になったようで。そうそう、昔はミセス向けのセレクトショップ?みたいなお店しかなく、ヒョウの顔がプリントされたセーターなんて売ってました。目の部分がでっかいラインストーンかなんかで。それも、やけに高かったし。

お昼には、気のきいたテイクアウトショップすらなく、まだ健在だった有楽町そごうで調達するか、お昼になるとどこからともなく現れる、街角弁当売りから買うしかなかったのに。でも一階にいくらカフェやアンテナショップが出来ても、オフィススペースの古さは昔のままなんだろうなあ。

もらったチューリップは大切に家に持って帰って、壁に飾りました。チューリップって、室温が高いとベロ〜ンと広がるのが、最高にだらしない。室温が下がると、また元のように閉じて清楚な感じになるんですけど。ただ、これを繰り返していると、だんだん戻りが甘くなって、最後には開いたまま閉じなくなってしまいます。う〜んまるで、男性にだらしない美女の一生のよう。

ところで猫はチューリップが好き。なぜ好きかはわからない。地上1.5メートルの壁に飾られているチューリップを見上げては、ため息をついています。で、何度か壁を登ろうとして、あえなく撃沈。ふびんに思って抱き上げてチューリップのそばに連れてゆくと、何の迷いもなくカプッと食べようとしました。あ〜猫の気持ちが全然わからないな〜。