もう退院します。

そんな入院生活終盤、そろそろ読む本がなくなってきたので、売店まで行ってみました。文芸春秋週刊新潮などのオッサン雑誌を買ったら、読むところがたくさんありそうだったけど、気が滅入る入院生活に彩を添える女性誌を買うつもり。CanCamが1.5センチ位の厚さで600円だったので、コストパフォーマンスを考えると一番楽しめそう。でも、読者モデルのライフスタイルなどを読んでも、今の私の生活に応用できるかどうか。

かといって、家庭画報のような奥様向けの雑誌で、2千万円を超えるダイヤモンドのカタログを見てもしょうがない。ところで、家庭画報やミセスなど、ハイソサエティなミセスの雑誌って誰が買っているんだろう。発行部数は10万部を超えていますけど。シフォンのブラウス16万円とか、ランチが2万円のお店とか、ちょっと無理すれば手が届くって域を超えているな。私の想像上の読者としては、「広尾在住で夫が歯科医師」、又は「六本木在住で夫がIT業界の風雲児」です。

それから、お菓子も買おう。ハバネロはやっぱマズいか。ビスコにしようか、ペコちゃんウエハースにしようか悩む。それより、私が絶食中に、談話室で見知らぬおばあちゃんが食べていた、ラスク状の菓子パンが食べたい。あれは夢にまで出てきたわ。

結局午後の診察で、その日のうちに退院できるようになったんだけど、ショートコートと靴は持ってきてもらったけど、搬送されていた時に着ていたワンピースじゃ、外を歩くには足が寒くてしょうがない。下にジャージを履いてしまうか・・・。

ストッキングを買いにまた売店に行きました。ところが、そこにあるのはナース用の白いものと、いつから置かれているのかわからないベージュの二足組ストッキング。この2足入りストッキング、私の記憶じゃストッキングなのに足にフィットせず、履くとなぜか寒くなるという不思議な商品。まだ売ってたのか。仕方ないので買いました。

母に迎えに来てもらって、無事退院できました。救急車で来たときは気づかなかったけど、すごく遠いな。市内なのに私鉄を2つも乗り継ぎ。入院以来髪も洗っていないので、変な寝癖がついてるし、ストッキングは寒いし、一刻も早く帰りたい。そんで猫に見守られて眠りたい。無理だけど。

ところがそううまくはいかなかった。家のある駅に着いた時瞬間、気づきました。家の、かっ、鍵を持ってないことに。

ケローン!!