ひなあられだって、一粒ごとに味が違う

昔から大嫌いなお菓子のひとつがマシュマロだった。固いゼリーに砂糖をまぶしてあるお菓子も大嫌い。祖父母の家に遊びに行くと、「和菓子アソート」的に、あのゼリーと、ミニ最中、ミニ羊羹、甘納豆などがぎっしり入っている大袋があった。今なら何となく食べてもいいけど、当時は、
「お菓子なのに、どれ一つ食べられない!」
と、世捨て人の気分になりました。

マシュマロは、アメリカの小説で、キャンプファイアーの時に枝の先につけて火にあぶって食べる、というのを読みました。また、ココアに浮かべて溶かしたところを飲む、っていう飲み方もあるらしい。それを読んだときは、おいしそうだと思って買ってみても、やっぱりおいしくない。あの、噛み切れるのか、噛み切れないのかどっちなんだい?、って食感がいけないのかも。

去年の今頃、「オレンジページ」で、『豆乳とクリームチーズとマシュマロで作る、激簡単なレアチーズケーキ』というのを知り、さっそく作ってみた。ケーキはおいしくできたのだが、余ったマシュマロをつい食べてしまったら、これがまたおいしくない。確か、もんたが当時、「マシュマロが健康にいい」ってテレビで言ってたので、品薄で選択の余地もなかったし。

そんな時、生まれて初めておいしいマシュマロに出会った。スペイン製の、カラフルなねじねじのマシュマロで、よく輸入食品店やソニプラに売っているヤツ。姉妹品に雪だるま型もありますが、ねじってある方がおいしく感じる。

ところで、ねじって揚げてあるあられのことは「横綱あられ」っていう名前が一般的だと思っていたのですが、大学時代にニヒルな先輩が、
「あれ買ってきてくれないかな。ほら、竜巻あられ
と言ってました。ブツはわかりましたが、わからないフリをして、何回も言わせてみました。

ところでそのねじった形のマシュマロは、形も色も独特で、主にピンク系とブルー系があり、なぜかブルー系が1割くらいしか入ってない。こういう場合、少ない方は無条件に大切に食べます。ピンク系も、オレンジ・ピンク・イエロー・白の組み合わせですが、色ごとに味が違います!と、主張すると、
「原材料名のところに、『赤色一号』とか、『香料』とか書いてあるよ。味は同じで着色料が違うだけだよ」
と、まことに夢のないことを言う人がいますが、じゃあ、キミは白いとこだけ食べていろ!色が違えば味も違うんじゃい!