今思い出しても惜しい

数年前に下着泥棒にあいました。

その時住んでいたのが、一階の角部屋という立地。
オウム事件があったあと、警察が一軒一軒地域を訪問していた時期に、警察官の方が、
「一番泥棒に入られやすいのは・・・あ、この家だ」
と、軽くおっしゃっていました。角部屋で、出窓があって、出窓の外は駐車場やマンションの庭、というようなお部屋が泥棒は大好きなのだそうで。

でもその時に住んでいたのは、一階といえどもベランダが地面から高く、ベランダも鉄柵ではなく背が高めのコンクリート、さらにその下は広い花壇になっていたので、
「通りすがりに出来心で」
なんて言い訳は通用しない。むしろ、努力して2メートルほどジャンプし、2,3回ほど懸垂して這い上がらなければならない、風雲たけし城のような場所。いや、「SASUKE」と言った方が、わかりやすいか。

そこに朝洗濯物を干して、夕方になったら消えていた。
「アレ?洗濯した夢を見たかな・・・」
と思ったが、ハンガーがどこを探してもないので、盗難に間違いないでしょう。キャー!

盗まれた品を思い出してみると、「トランクス」「ヘインズのTシャツ」「でかい靴下」など、どれも私の魅力とは関係ない品々ばかり。唯一、「ブラジャー」というのがあったが、これは新品で買ったものを下洗いしただけで、一度も着用していない。ご、五千円もしたのよー!

もし、下着泥棒だとしたら、泥棒にもうまみがなく、私も損をしただけの無意味な結果。私の古いのをやるから、その新しいのは返せ、と思いました。

警察を呼んで被害届けを出してみたのですが、警察官の方が2人来て、家に上がって実況見分。そのうちのおじさんの方の警官が、五本指のソックスを履いていました。同行してきた若い警察官も私も同居者Sも、彼の靴下に目が釘付け。まだ今ほど五本指ソックスが市民権を得ていない頃で、
「水虫だな」
と、全員が暗黙のうちに思いました。

で、警察官の方の結論としては、
「ホームレスの仕業です。着る物が欲しかったんですよ!」
ということになったみたい。確かに女物はそのブラ一枚だけだったんだけど、下着泥棒っていう可能性は、なぜかあっさり排除したようで。失礼な。

「これは・・・夫婦のホームレスかもしれませんね」
なんて、結論ありきな推測までされたりして。