マルチな活躍のマルチ

航空予約システムに「マルチジャパン」というものがある。もともとは日本航空の端末なんだけど、キーインすることで、他の航空会社の端末と繋がるという、まあまあ便利なもの。日本航空の端末で見ても、他社便に空席がない場合には、
「じゃ、マルチで見てみたら?」
というような使い方をされる。

何週かに一度、行きつけの地域一番店イトヨーでは、・・・地域一番店って果たして何を基準に一番なのか、漠然としていると思います。で、そのイトヨーの広告に出てくる目玉商品が「マルチアイス全品4割引」。一箱の中に何本か入っている、ファミリー向けのあのアイスのことです。

この間、TBSの「スーパーサッカー」を見ていたら、ボンジュールな人が出てきました。私が心の中で「ボンジュールな人」と思っているのは、昔、トルシエ監督の通訳をしていて、トルシエ本人よりやけに目立っていたフローラン・ダバディー氏。以前、溜池の全日空ホテルのロビーで、とっても人待ち顔のトルシエさんを見た時、
ダバディーさん待ちか?」
とそこにいた誰もが思っていたはず。彼は確か、日本語、フランス語の他にもポルトガル語や韓国語などが出来たりする、マルチリンガルなお人。

以上の例を踏まえても、「マルチ」という言葉には、「複数のもの」という意味があり、「マルチ」が単語に付けられていた場合には、
「複数の何か」
を思い浮かべるはず。

ところが、ここに同行者Sという人がいるのですが、
「マルチ」
と聞けば、
「ああ、あの、腕の先が丸く広がってる、」
と思うそうです。何だそりゃー!

面倒ながらも話を聞くと、昔、ミラーマンに出てきた怪獣の名前だそうです。いや、知らないねえ。具体的形態は

これなのですが、何通りかに変身するので「マルチ」と言い、まあネーミングに間違いはないな。

でも同行者Sの使い方は明らかに間違っていて、
「肘のあたりから手首に向かって広がった服を着ている人」

または、
「指先まですっぽり隠れる、長めのダウンジャケットを着ている人」

などを見ると、
「おっ、マルチ発見!」
と言い出すので、相手をするのがとっても面倒くさい。