ボジョレーヌーヴォーについて今さら書く

私が社会人になった当時、ボジョレーヌーヴォーがなぜかすごい人気で、
「世界で一番早く飲める!」
ってなわけで、成田に特設会場が設けられて、サンローランの青みピンクの口紅をつけて、前髪を無意味に後ろに巻いたソバージュの女性に、くすんだグリーンのダブルのスーツを着た男性のカップルが、
「今年のボジョレーは、フレッシュですねー!」
なんつって言ってました。時差から言っても、ニュージーランドシドニーの方が早いと思うんだけど、12時ちょうどに解禁する、って発想がなかったのか。

未だにわからないのは、世界中で一番早く飲めることの価値なんだけど。
「俺が世界で一番早く今年のボジョレーを堪能した!」
って優越感だとしたら、生産者はもう飽きるほど飲んだであろうことを指摘したい。

しかし、ボジョレーの解禁日には帰りに酒屋さん付近で人だかりがしていたので、興味ないフリをして近づいてゆき、合計3箇所で試飲をさせてもらった。帰る頃なんか、もうすでに世界中のどの国でも解禁済みだったので、何のありがたみもないけど。まあいいか、ホノルルの人よりは早いはず。

その結果、よ、酔いました・・・。マイつまみを用意しておけばよかった。いやいや、それじゃあまりにも、「買わないで試飲だけ」感が出過ぎてしまう。にしても、なぜ一番安いもので2300円もするわけ?また、私程度の舌では、
「今年のボジョレーは、去年とどう違うかと言うと・・・去年のボジョレーの味を忘れました」
としか言えない。