社員食堂は罪なヤツ

私が今働いている会社には、社員食堂がある。そんなに本格的なものではなく、メニューは定食が2つに、麺類、カレーの4つしかない。以前いたところでは、小鉢やご飯を自由に選んだあげく、合計金額が1000円近くになってしまって、外食より高くついたもの。でも、ここではスタバよりも安いワンプライスで、食券オンリー。

味は悪くないし、苦手な揚げ物もあまり出てこないので利用しているのだが、たまに、
「今日の献立作成担当者とは、一緒に暮らせない」
という日があったりする。「トンカツ定食」「アジフライ定食」「かきあげうどん」「コロッケカレー」が揃った時には、
「担当者出て来い!」
って思ったわ。お前はアブラを食べて生きているのかい?
それでも、ここは繁華街にあるから外食すればいいだけの話だけど、工場の人たちは逃げ場がないので気の毒だ。

朝10時ごろになると、社員食堂の仕込みが始まるらしく、香りがどこからか漂ってくる。この匂いは・・・確認のため献立表を見に行ったりして。仕事に集中できない。昨日は強烈なニンニクの匂いがしたので、
「中華かイタリアンだな」
と思って献立を見に行ったのに、それらしきメニューがない。おっかしいなあ、と思って席に戻ると、またにんにくの匂いが。う〜む考えたくはなかったが、まさか隣席の男の口臭じゃあるまいな。

以前、「トニーローマ」という、スペアリブで有名なお店が一階に入っているビルで働いていた。窓も開いていないのに、毎日11時ごろになると、9階にまでバーベキューソースの良い匂いが。もうその瞬間から、スペアリブのことしか考えられなくなってしまい、何度12時ちょうどに店に駆け込んだことか。混む前に行きたくて、わざと会社の時計を2,3分進めたりしたものよ。

昔読んだ小説に、換気扇を使ってホテルの全館に青酸カリをばら撒く、という大量殺人の手口があった。そんな感じで、換気扇を使ってビルの全館にバーベキューソースの匂いをばらまくように、細工をしてたんじゃないだろうかと疑っている。