幻の社員旅行・幻の福利厚生

今まで色々な旅行の手配をしてきたが、最近ふと、あの人たちはどうなっただろうか、と心配になることがある。それは、幻の社員旅行。しかも覚えているだけでも2社あった。

たぶん予約の時点では幻ではないはず。ある会社では、東京と大阪にオフィスがあり、それぞれ20人くらいでオーランドのディズニーワールドに社員旅行に行きたいとの希望があった。しかも、なぜかわからないが、東京組・大阪組ともに同じ航空会社でなければならないという。当時大阪からアメリカン航空がダラスまで就航したばかりだったので、アメリカンで予約しましたとも。そして、出発の一月前に、あっさりキャンセル。理由は「社内事情で延期」。

その一月後にまた同じグループで予約が入った。そしてまた出発の一月前にキャンセル。そんなこんなで半年位経つと、人の心はすさんでしまうものですね。その会社から電話があると、用件もロクに聞かずにパーポ君の絵などを落書きしていました。本当は狼少年の絵を描いたつもりだったんだけど、画力が。

他の会社では、中国のハワイと呼ばれる厦門というところに社員旅行に行くという案件もあった。これはアモイと読むのだが、モアイとごちゃまぜになって、イースター島か新島の手配などをしそうになる。この人たちはもっとひどくて、キャンセル待ちだのルート違いの便などをさんざん手配させたあげくに、出発の2週間前にキャンセルする。そしてまた、ほとぼりが醒めたころ、同じような旅程で予約をしたうえにキャンセル。

最初のうちは、「アモイのスリーレターコードとは!?」などと色めきたっていたのだが、半年も経つとその会社からの電話は、用件もロクに聞かずにモアイの絵などを落書きしていました。しかし良く聞くと、アメリカ行きの本物の出張依頼だったりして、大慌て。

予約の電話をしてくるのが、たぶん総務の人か、社内の「社員旅行実行委員会」みたいなのをやらされている人たち。もしかしたら、他の旅行会社に頼んでいるのかと思って聞いてみたが、そうでもない。かといって、キャンセルになってとっても残念、またお願いします!という風でもない。

ある日、新聞を見ていたら、ディズニーワールドを毎回キャンセルする会社の求人広告で、福利厚生の欄に「年一回アメリカへの社員旅行あり」と、書いてありました。一体どうなってるんだろう。今も謎です。