B.N.(ビフォーネコ)の時代

秋には山梨に日帰りでもろみワインを飲みに行き、冬は箱根に温泉。思えば、猫以前の私は贅沢者だった。

ためしにお正月に、猫を車で遠出させたら、車にいる間中ニャーニャー鳴いていて、家に着いたらあまりの疲れからか、速攻で寝てしまった。しばらくすると、小さな音で、
「スピー。スピー」
と聞こえてきた。猫もいびきをかくことを、生まれて初めて知った日。

山梨は、「かいじ切符」という、JR東日本があまり積極的に売っていない安売り特急券がある。4枚つづりで確か4000円。乗車券が必要だけど、2人で行けば往復できて、特急券が一枚あたり1000円は安い。ただし自由席しか使えない。

それにみどりの窓口で、「甲府までの『かいじ切符』4枚つづりをください」というと、必ず「あずさ回数券6枚つづり」が出てくるのはなぜだろう。値段が4倍くらいするんですけど。んもー!

毎年買ってるんだから、JR東日本窓口担当者ミーティングで、「今年はこの2つを間違えないようにしよう」という提案がされてもいいと思う。それか、所長が、「毎年この時期、『あずさ回数券』の控除が大量に出るのはなぜか?」と、原因究明に乗り出すとか。

秋と言ってももろみワインが出るのは11月頃になってしまうし、7月にお休みを取ってからずっと人の休みを指をくわえて見ていた身にとっては、そろそろ休みたいところ。会社の周りの人も、私が休んでいた記憶が薄れている今なら、一日二日休んでも気づかれまい。

と思ったけど、結局連休を利用して一泊二日で軽井沢への旅行を計画した。白樺林でサイクリングをして、万平ホテルでお茶をして、牛乳アイスを食べて、チーズ工房で試食して、ブルーベリージャムを買うというような、いかにも軽井沢的行動をしてみたい。ところが、浅間山が噴火したため、あっさり取りやめ。

そこで、何年か前に行った蓼科の温泉に変更。この蓼科の温泉は、旧館と本館があり、旧館の方はバス・トイレ共同でお座敷、浴衣となぜかちゃんちゃんこが用意されているという、ひなびすぎているところ。この旧館の雰囲気が、コジャレてなくて素敵。

で、行こうと思うんですけど。中央フリーウェイで。猫を置き去りにして。