ビーズの殿堂でお買い物

先週の金曜日、会社帰りに浅草橋に行った。浅草橋は、昔から手芸品の卸売りなどで賑わっており、小売しない店がほとんどだが、卸・小売両方やっているお店もある。

母が手芸に燃えていた頃、浅草橋で「和紙の手作りアクセサリーキット」を良く買っていた。何を作るかといえば、父のカフスピンやネクタイピン。それを30年近く経ったつい最近、実家で現役として活躍しているのを見てしまった。

また、クロス刺繍のキットにも燃えていた時があった。そんな暇があるんだったら、もっと品数の多いお弁当も作ってほしかった。この刺繍の作品は、いまだに家にも飾らされている。

パンフラワーや籐細工にも燃えていた。そんな暇があるんだったら、三色そぼろ弁当なんかも作ってほしかった。

いや、そんなことはこの際忘れよう。私が行ったのは、ビーズの殿堂、貴和製作所。ここのスワロフスキービーズは、びっくりするほど安く、たぶん市価の半分くらい。行く前に買うべき色番・型番・数などをきっちりメモって行って、他のものは一切見ないで一目散に帰ろうと思ったのに、結局2時間もいてしまった。それでもまだ見たりない。

この話を、以前同僚の男性に話したら、
「それって俺がオートバックスで一日つぶしてしまうのと同じだよな」
と言っていた。オートバックスときたか。オートバックスのキャッチコピーは「車好きのユートピア」だし、じゃ、貴和製作所のキャッチコピーは「ビーズ好きのユートピア」だな。うちでは押入れの事を、「猫のユートピア」と言っているけど。

貴和に来るお客さんって、老若関係なく手芸好きそうな女性が多いのだが、その中にたまにいるのがモード系の男子。恐らく服飾系の専門学校か美大にでも行っているのだろうが、まあそれはそれで理解できる。

ところが、さらに不可解なのが、おしゃれではないサラリーマン。普通以上に冴えないんですけど。奥さんに頼まれて買いにきているのか、意外と人気のビーズデザイナーなのか。ビーズデザイナーなら、あのニットの貴公子のように、全身その雰囲気で固めていてもらわないとわからないなー。

ところで、ビーズアクセサリーの作り方図って、本によっては幾何学的な設計図のみが書いてある場合があり、それはもう何がなんだかわからない。あれを見ていると、「女は立体を把握するのが難しい」という、「地図の読めない女」の本を思い出して、やな気持ち。