新大久保の健康診断・本番

大人の健康診断は本当に疲れる。診断前の注意書きを読んでいると、
「午後9時以降の飲食は絶対不可」
と書いてある。絶対って言われると、人はどうして飲食のことばかり考えてしまうのでしょう。いつも間食なんてしないのに、9時以降になると、急に饅頭などが食べたくなるから不思議だ。

朝、8時の受付なのにはりきって10分前到着。えむちぐさんより、「ここの職員、医者には妙な人が多い」という魅力的な情報を得ていたので、受付をするときから、出会う検査員全てに、「お前か?」「お前か?」的、期待に満ちた視線を浴びせてしまった。

検査前には、あの手術着みたいな情けない服を着せられる。上がハッピみたいで、下がなぜかちょっと丈の短いパンツ、そして色はパステルブルー。ここの病院のはサイズによって、パイピングの色が違うらしく、更衣室に入る前に係の人が一目で体型を見極め、ジャストサイズの検査着を渡していた。私の番になり、
「シャキーン!」
と私を一目でスキャンして、渡されたのはオレンジのパイピングのMサイズ。やった!やったわ!もしここでLサイズ以上の青や紫のモノを渡されようものなら、この先何時間かの健康診断ライフが、より辛いものになる気が。

バリウム検査前に読まされた注意書きには、
「最初に発泡剤を飲んでから、バリウムを飲む」
との一文があり、その下に、
「発泡剤を飲んだ後は、絶対にゲップはしないでください」
との補足が。それを見た途端、今すぐゲップがしたくてたまらなくなりました。絶対って言葉に弱いわ。

バリウム検査室は4部屋あり、順番に呼ばれてゆく。待っているときに、
「え、○○さま〜、え、○○さま〜、え、1番検査室へ、え、どうぞぉー!」
と高い声で、まるで電車の車掌さんのように読み上げる検査技師がおり、
「あの人だけには当たりたくないな」
と思っていたら、呼ばれた。やっぱりね。いつものことよ。

バリウム検査は10年ぶり位。飲んでいる途中で、目の前の機械にうっすらと人がバリウムを吹いたような、しぶき状のものを見てしまった。誰かここでむせたな。それも検査技師の甲高い声に。

しかし、あの機械、上になったり下になったり、足が頭の上にきたり、胃の状態よりも手すりにつかまっている腕の筋力の方が心配。腕の筋力の衰えたお年寄りが、頭からずり落ちてしまい、頭を強打しそのまま入院って事例が絶対にあると思う。