ジェンダーフリーな業種。ある意味。

会社の社員食堂に飲み物の自販機があり、市価より多少安いので利用する。そこで私がこの夏体を預けた「Love Body」が500MLで130円。1ユーロだな。一番の問題は、この食堂が3階にあり、私のオフィスが7階にあること。行くときはいいが、帰りにペットボトルを両手に抱えて3階からエレベーターに乗ると、一階から乗っていた他の社員の視線が痛い。かといって、7階まで階段はキツいのよー!

「あの人、あんなダイエット用のお茶を飲むくらいなら、階段使えばいいのにネ」
なーんて思われないように、ラベルを隠したりして。または、
「あーあ、また使いっぱしりか」
とつぶやいてみたり。いや、そんな余裕はないけど。

最近では使い古した小さな段ボールを持参し、重要なサンプルが入っているかのように持ち運びすることを考え付いた。
「あっ、揺らすと爆発が!」
と、口には出さないが態度で威圧しておくと、不思議と人は騙されるものですね。いちおうこの会社はメーカーだが、旅行部門の私がサンプルを持ち運ぶ可能性など、万にひとつもない。しかし、同じ部署の人がたまたま乗っていると、
「おっ、買いだめか」
と、何のためらいもなく口に出すから危険だ。

そういえば、きゃしゃで小さな女性社員が大きな段ボールを持っていたので、手伝おうかと声を掛けると、
「私が持っていると、みんなにそう言われるんですけど、意外と軽いんですよ〜」
という答が返ってきた。私が持っていても、誰一人声をかけてこないな。

そういえば、旅行業では男女の差無く働いている場合が多いからか、今まで女性としての恩恵を受けたことがない。プリンターが壊れても、ケーブルの接触が悪くなっても、全て自力で修復。高いところにあるものは、もちろん靴を脱いで椅子に乗るのよ。パンフレットだって運んでもらったことなんてないし。

普通の会社に来て、
「○○さ〜ん、プリンターのリボン交換してくださる?」
とか
「荷物運んでくださる?」
とか、えらいガタイのいいおばちゃんが言うのを聞いて、私もいつかは「○○さーん、棚の上の申込書取ってくださる?」と言おうと心に決めていた。この「〜してくださる?」って、「では、ごめんください」と並んで、中年女性の雰囲気が出る言葉だな。

しかし、頼みの綱である同僚の男性は、私より背が低い上、腰痛持ちなんだよなー。またここでも靴を脱いで、自力でがんばっております。