ネクタイの話が続く

先週、ネクタイのことを日記に書いたところ、ぜひ「彼」のことを書いて欲しいとの同行者Sのリクエストが。そういえば、ネクタイに関する話題になると、必ずSさんは、彼のことを引き合いに出すな。忘れてた。

同行者Sが、新しい部署に配属になり、上司と初めて顔を合わせることになった。朝から、「今度の上司はどんな人だろう」と、とても気になる様子。なんせSさんは、上司運が最悪なお方。今まで話を聞くだけでも、
「そんな上司、いや、そんな人間は小説の中にしかいないのでは」という人が上司になる。一番ひどかったのは、アレかしら。自分の部下(未婚女性)と、上司(既婚男性)が不倫していて、板ばさみと、とばっちりに合っていた時かしら。

また、そういうのって、密やかに、蔭でやってくれればいいものを、Sさんの同僚と何人かで飲みに行った時、秘密なんだろうと思っていたこの2人の関係を、その場にいた全員が知っていたのが印象的。また、本人達はなぜか、バレていない風を装い、一応表面上は他人のフリをしていたものの、2人が痴話げんかしたと推測される翌日の課の雰囲気は、最悪だったという。上司が荒れて机を蹴り飛ばしたり、部下が突然泣き出したり。私もそんな立場でなければ、ぜひそこで2人を観察して毎日過ごしたい。

そんな上司暦を持つSさんにしては、その新しい上司は普通で、特に不満もなく毎日過ごしていた、と思っていたら、ある日、
「目が痛い」
という訴えを聞いた。
良く聞くと、その上司、仕事上では特に摩擦もなく普通の振る舞いなのだが、何しろネクタイとシャツの配色が大胆らしい。例えば

1.紫のシャツにエメラルドグリーンの無地のネクタイ
2.薄緑の格子のシャツに朱色ベースで黄色いイカリの絵のネクタイ
3.ピンクのシャツに、青地に緑でわけのわからない柄が書いてあるネクタイ

などで、その上司から仕事の指示があったりするときなど、ネクタイに目が釘付けになってしまい、話の内容をほとんど覚えていられないという。

また、航空会社の人が新路線について営業に来た時、何度もむりやり視線を外してはいるものの、すぐに吸い寄せられるようにネクタイに視線を戻してしまい、せっかくの新路線の説明がおろそかになっていたようだと語る。

私もその上司の顔を見たことがないのだが、どんなルックスの人なのか聞くと、
「よく覚えていない」
とのことです。