頭脳粉の欠乏症状

日本全国どこでも手に入るのかどうか調査していないが、「頭脳パン」という魅力的な名前の菓子パンがある。確か大昔は、ぶどうパンのような単調な味一種類しかなかったと思うが、最近ではバリエーションも豊富になり、全種類を把握しきれないまでになった。

基本的には、横15センチ・高さ5センチ・奥行き5センチの直方体の甘いパン。イトーパン製で100円。そしてその中にクリームが挟まっていて、そのクリームの種類のバリエーションがいろいろある、良く手に入るのは、「ココア味」。ココア風味のクリームに細かく砕いたナッツが入っていて、結構おいしい。他にはあっさりした練乳味の「ミルククリーム」、季節モノなのか春にしか見ない「いちごみるく味」、ピーナツバターを挟んだだけの「ピーナツ味」などがある。

この頭脳パン、以前ファミリーマートで良く見かけたのだが、仕入れたり仕入れなかったりと手に入れにくい。なぜか西船橋駅構内のKIOSKでは種類も豊富に揃っている。それも基本の頭脳パンだけでなく、「頭脳メロン」「白い頭脳パン」「ふんわり頭脳パン」などのアレンジモノも多数見た。白い頭脳パンは、普通のコッペパンにクリームがはさまったもので、80円。以前「バナナクリーム味」が出たときは、私の時代が来たと思ったが、今では発売されていないようである。

何をもってして「頭脳」とつけたのか、誰もが疑問に思うのだが、一応包装紙に書いてある文を読むと「頭脳パンとは頭脳粉を使用して作ったパンです」と書いてある。と言うか、正確に言うと「頭脳粉(小麦粉)」と書いてある。こ、小麦粉かよっ。どのパンも普通、小麦粉から作ると思うのだが。「小麦粉の中に含まれるビタミンB1が頭を良くする」という、慶大教授の学説に基づいて作られているらしいのだが、それなら「ヤマザキ・頭脳ダブルソフト」「フジパン・頭脳本仕込み6枚切り」として、もイトーパンは文句は言えまい。

しかし、頭脳にこだわりを持つだけあり、受験シーズンには「合格祈願・占いシール」などを貼ったプロモーションに余念がない。そういえば、日本一頭脳パンの売り上げがあるのは、上智大学売店で、二位が東大の売店だと聞いたことがある。う〜ん、では西船橋駅周辺の人たちも頭脳粉を補給されて、さぞかしキレの良い人が多いのだろう。