日曜が来るたび思い出す

私の父はとてもスパルタな人間だった。日曜日に父が家にいると、子供3人のうち誰かが必ず泣くことになった。それも今では思い出せないような些細なこと。ひとつ覚えているのは、私が新年におねだりして買ってもらった日記帳を、三日坊主で終わらせているのが発覚した時。

もう3月だったのに、日記帳には「1がつ1にち にっきをがんばる」としか書かれておらず。それはそれは怒られたねえ。その後も抜き打ちで日記検査があると思い、まとめて嘘日記を書き続けたが全然検査の時は訪れなかった。

他には父の行う「一般教養テスト」が怖かった。家には「日本地図パズル」という面倒なものがあり、県別の48個のピースを埋めてゆく抜き打ちテストが行われた。最初は全然埋められなかったが、怒られて泣きながらやるうちに覚えてきた。

すると次はストップウォッチを出してきて、タイムトライアル開始。3分以内にできないとまた怒られた。それも3分以内に確実にできるようになると、今度はピースだけを使って日本地図を組立てろとの指令が。日本地図パズルって、今でも涙でぼやけた形でしか思い浮かべられない。

考えてみれば殴られたわけでも、叩かれたわけでもないのに、子供達はみな良く泣かされていた。今、孫達に接する父を見ていると良くわかるが、オトナとして冷静に注意するのではなく、子供と同じレベルで本気の喧嘩をしようとするのが、一番の原因だったような気が。

しかし、本人があまり得意ではない世界の首都に対しては気乗り薄。先日も「ブラジルの首都はサンパウロ」と言っていたし。もちろん、スリランカの首都はスリジャヤワルダナプラコッテではなく、コロンボだと思っているはず。私もつい最近まで知らなかったのだが、この世に知らぬものなどない俺様というお方がそうだと言っているので、間違いないはずです。

そして、たまにあるのが、日本の祝祭日の抜き打ちテスト。これは夕食時などにいきなり質問されたりするので危険。姉が、「今度のお休みはどこかに行くの?」なんて無邪気な質問をしたりすると、「その祝日は何の記念日だ?」「じゃ11月の祝日は何日ある?」なんて質問攻めに突入し、楽しいはずの夕食が、一転して地獄の一問一答塾に変身。姉め〜余計なことを〜。