人の話を半分くらいしか聞いていない人々

最近、ヨーロッパの出張に慣れていない会社が、スイスで行われるイベントのため多数出張に出た。いつもは、中南米とか中国などの工場が主なので、航空券と一緒に「出入国書類」と呼ばれる入国カード・出国カード・税関申告書などを必ずつけていた。しかし、今、西欧ではイギリス、フランス、スペイン位しか出入国書類は必要ない。今回行くスイスも必要ないので、航空券のみ送付した。しかし、その航空券を受け取った社員達から「出入国書類が入ってない」「税関申告書が欲しい」との問い合わせの電話が続々と。中には「日本の出入国カードが入っていない」という人もいたなあ。あれが廃止されてからもう2年くらいたつけど、その間出張の機会はなかったのかい。

そんな、航空券販売の本質とは何ら関係のない問い合わせに忙殺される中、とうとう彼らが出発する週がやってきた。最初は10人位が成田から出発。しかもメンバーを見てみると、ここ5年位出国した形跡のない人たち。不安に思い、事前に成田エクスプレスの乗車の仕方から空港チェックインの仕方、そして到着空港の地図など手厚く案内しておいた、もうこれで戸惑うことなく、出張を満喫してもらえるはず。と、思ったら、最初の班の出発日に成田空港から携帯で電話が。誰もが「絶対取りたくないな」と思っていた電話を、ついうっかり取ってしまった。時計を見ると、出発時刻30分前。そこで起きるトラブルとは何?その時刻に起きる疑問とは?

そして聞かれたのは、「成田空港の施設使用料は、一体どこで払ったらいいんですか?」という問い。うーん、それも航空券に切り込みになってから大分経つねえ。しかし、空港にいるのなら、空港の人間に聞かんかい。しかも、よく聞くともう既に機内にいるとのこと。「もうシートベルト締めちゃったよ。わはは」って・・・。そうか、じゃもう少し、お姉さんとしゃべってみようか。そうしたら、じきに客室乗務員がすっ飛んできて、機内では携帯電話の電源を切るように大目玉食らうだろうなあ。