そんな季節がまた

今年初めて蚊に刺された。私の血は蚊の世界ではロマネ・コンティ並みの人気があるらしく、必ずひと夏に20箇所は刺される。蚊の世界でも私の血の解禁日とか決められているのだろうな。そしてその解禁日は、恐らく昨日だった模様。しかし、油断さえしなければ、私は蚊が飛ぶ周波数の音は敏感に聞き分けることができる。携帯のバイブに全然気付かないでよく非難されるが、携帯着信のバイブを蚊が飛ぶ周波数と同じにしてもらえば、ワンコールで取ってやる。

この時期の蚊はまだ本格的にエンジンがかかる前の、肩慣らしの段階らしく、飛んでいる姿もフラフラと頼りない。たまに窓の辺りで休んでいたりすると、猫に見つかり撃墜されている。うちの猫にヤラれるとは、よっぽどドンくさい蚊に違いない。しかし、そんな蚊にもうすでに刺されていた私としては、このマヌケな猫にやられるドンくさい蚊以下の存在のような気がしてくる。腹いせに猫の毛並みをぐしゃぐしゃにしてみたり。

あと要注意なのは、11月頃の、もう寒さで凍える前の瀕死の状態の蚊だ。この時期の蚊ならば小次郎のように箸でつまめるほど、動きが鈍い。しかし、夜どこからともなく現れて、その時期布団から出ている顔を集中的に刺してお亡くなりになるのは止めてほしい。朝起きるとなんかやけにまぶたが重かったり、顔半分の動きが鈍かったりするので、もしやと思って鏡を見ると、見事に赤くはれ上がっている。そして、ベッドサイドには蚊の遺体が。この蚊の死によって、私の血は全く無駄に消費されてるしさ。せめてもうすこし長生きして、私の血を有効に使わんかい。前から思っていたのだが、「刺した蚊が死ねば、腫れがひく」と言う事にしてもらいたい。

そんな時期ハズレに蚊に刺されたなんて言っても誰も信じちゃくれない。まぶたの上を刺されると、まるで殴られて目がはれた感じになるから危険。「あの人はDVの犠牲者なのだな」と思われているのではないかと心配だ。そういえば、関西では「蚊に食われる」という。最初聞いた時は、巨大な蚊が大口をあけて襲いかかるところを想像してしまった。

しかし、先日、「私は今まで蚊に刺されたことがないわ」というスッチーの話を雑誌で読んでしまった。何よ、また私に喧嘩売る気!?