バナナ味の祭典

子供の頃から、バナナが大好きだった。両親から、「昔はバナナは高級品で、病気の時にしか食べられなかった」という、バナナがメロン並みの地位を保っていた時代の事を聞くたびに、「バナナが庶民の品になって本当に良かった。フィリピン人さん、ありがとう」と思ったものだった。

しかし、最近読んだ話では、バナナは今後10年で絶滅するそうだ。バナナは遺伝子に多様性がないため、一種類の病気が流行っただけであっけなく、全部の種が絶滅するのだとか、確か、そんな話。そういえば、最近バナナは、ブランドバナナ以外でも高くなった。バナナがなくなったら、何を食べたらよいのだろう。

友達何人かとお茶をするとき、「ベリーのショートケーキ」「洋ナシのタルト」「メロンシャンテリー」などおいしそうな品が並ぶ中、バナナものが一個あると、もう他の選択肢は何一つ考えられずに、即決断。「どっしよっかな〜」なんつって迷っている友達に、「とっとと選べ!」と肘鉄を食らわせてみたり。

マックシェークにバナナ味が出たときや、ハーゲンダッツにバナナ味が出たときも、とりあえず飛び付いてみた。ハーゲンダッツはともかく、マックシェークはただのバナナ香料だとわかっているのに、ポテト・ハンバーガー・マックシェークというアメリカンな食事に胸焼け覚悟で取り組む。それでこそ、真のバナナ好き。

最近、いきつけのスーパー「イトーヨーカドー」で、『バナナコーナー』が組まれていた。VIPである私を歓迎するかのよう。ラインナップは、「小枝・バナナ味」「ミルキー・バナナ味」「チョコフレーク・バナナ味」「バナーヌショコラ」など他にも数名の有力バナナ味が名を連ねていた。全部買いたいのだが、あまりこのコーナーの前で興奮気味になっているのも怪しい。とりあえず、2、3個かごに放り込んでみた。

帰りにコンビニで今度は「バナナミルキー味大福」があったのを見逃せずに買う。もう今や家の中はバナナ味天国。この連休は、南国に思いをはせながらバナナ味三昧で過ごすことになるであろう。そして連休明け、バナナミルキーを会社で配りながら、「ちょっとルソン島あたりに行ってました」と言うつもり。