アンチョコとも言う

最近、企業が情報の流出に厳しくなり、他社の人間に社内の内線表などを渡してもらえなくなった。先日、その、内線表のコピーは絶対渡せないと言われたある企業で、顧客情報が流出したと話題になっていた。こら〜!内線表ごときでゴタゴタ言っている場合か。

しかし、航空券を届けに行くのが営業の人間、という丁寧な会社もあるが、外資系の旅行会社ではデリバリーのためだけにアルバイトを雇うところも多い。反対に、航空会社などに航空券をもらいに行く「ピックアップ」という仕事もある。そういえば、V6の坂本君は、ジャニーズで活躍する前は旅行会社でピックアップの仕事などをしていたそうだ。それを聞いてからは、私はかなり坂本君の味方。森田剛は坂本君の悪口をグダグダ言うんじゃない。昔、週刊誌に、「ついに入手!森田剛の恥ずかしい写真!!」というスクープが載った時、その写真を見た友達は、「あれは本当に恥ずかしい写真だよ」と言っていた。一体何が写ってたのよ〜?

しかし、デリバリーやピックアップの人間は、アルバイトとはいえ会社の顔になるわけで、スーツを着て歩き回って、わけのわからない質問をされて、運が悪ければ怒られ、内勤の人間からあれこれ言われるし、その上時給は安い。夜学の学生さんや、司法試験の勉強中というような若者から、去年郵政省を定年になったという人までさまざまながらも、定着率はよくない。そんな入れ替わりの激しい彼らのために、初めて行く会社でもマゴマゴしないで済むように、わかりやすい『座席表虎の巻』を作ったことがある。何て優しいんだろう。

その私が作った『座席表虎の巻』は、パッと見てすぐわかるように心を砕いて作ったため、どうも表現が直接的。「A社の○○さん:6階窓側のツンとした美人」とか、「B社の××部長:入り口すぐの腕毛の男性」とか。デリバリーの人間には好評だが、届け先で「××部長さん、航空券のお届けです」と言った時に、腕に視線を集中させていないかどうか心配だ。また、「6階窓際に美人はいませんでした・・・」と、個人の感覚の差ばかりはいかんともしがたいものがある。しかし、考えてみれば、企業内の座席表そのものよりも、私の虎の巻の方が流出しては困る。うっかり者がどこかで落としてしまわないか、通し番号をつけて管理しなければ。