もうすぐ雨が降りそう

高いストッキングを買っておろしたての時には伝線するもの。これは私のマーフィーの法則。朝食を食べている時に、普段はテーブルの上のヨーグルトにだけ神経を配っているはずの猫が、この日に限って足元で爪とぎしたり。一度それを防ごうとしてレッグウォーマーで足をガードしてみたら、わずかに出ている膝部分に飛び乗ってきてパー。絶対にわざと。

まだ家を出る前に気づいたならいいが、マンションの玄関ホールで隣人に指摘されてしまった時など、引き返すにはもう時間がないし、かといって気にしながらそれからの小一時間を過ごすのも辛い。せめて気づかずに会社まで行かせてほしかった。駅で中途半端に気づいた場合も、キヨスクでストッキングを買ってトイレに行って履き替えるなんて心意気がある人間でもない。前から思っていたのだが、『朝の通勤電車では、伝線したストッキングは無視するのがマナー』という事にして欲しい。JRの車内アナウンスも、「携帯通話は禁止です」「不審物を見かけたら触らないで下さい」なんて事と並べて、「伝線したストッキングは、無視するのがマナーです!」とか何とか言っておいてもらいたい。

ストッキングって使い捨てだと思っていたけれど、アメリカの小説の中で、「私の妻はストッキングの伝線していない片足同士を縫い合わせて長持ちさせるほどの、しっかり者」という記述があった。そこまでしなければならなかったか・・・。いや、アメリカ人がそこまでエコロジーに敏感かどうか疑わしいが。

去年の夏、「エアーストッキング」という、肌色のスプレーを脚に吹き付けて、ナマ足をきれいに見せるというコンセプトの商品がヒットしたらしいが、あれを私の周りで使っているようなおしゃれな人はいなかった。ヒットしているというからには、きっと誰かがどこかで使っているのだと思うが。急に夕立がきて足が濡れた時など、「今頃エアーストッキングを吹き付けていた人の足は、まだら模様で大変だな。」とひとごとながら心配になったが、町中でも見なかったな。