トンチンカン男のその他の事例を思い出す

4月16日の日記にも書いたトンチンカン男は、そのトンチンカンぶりが爆笑を誘うほどでもなく、かといって簡単に聞き流すには惜しいものが多かったので、ここで披露できてよかった。電話を切った後、同僚に、「またあのトンチンカンからこんな電話があった」と報告するだけに留まっており、同僚もその私の報告を心待ちにするほど、気になる人物でもなかったよう。できれば、そのトンチンカンと一緒に働いている女子社員と話をして盛り上がってみたかった。

例えば、シュツットガルトの「ケー通り」とは、「ケーニヒ通り」の略。ケーニヒとは王様の意味。「東京で言えば銀座のような繁華街です」と説明すると、「でも、王様通りなんですよね。じゃあ皇居の近くの丸の内と言った方がいいんじゃないんですか?」という返し。この場合のキーワードは『繁華街』のはず。銀座だろうが丸の内だろうがススキノだろうがどうでもよいではないか。昼食をとる『シュロスなんとか』というレストランについて聞かれて、「シュロスはお城の意味ですね」と何気なく言うと、「でも、僕が予約したのはお城じゃなくてレストランなんです!」と言い返された。他にも私が電話中のときに電話をかけてきて、電話が終わるまで待つというので、どんな問題が持ち上がったかと思えば、「BMWのBは何の略なんですか!」という質問。それはどちらかといえば君の領域だと思うよ。ちなみにBMWのBはバイエルンの略なんですよ、知ってました?

そんなこんなで、ようやく出発し、どんな珍道中が繰り広げられたのか知らないが、帰国翌日の朝9時ジャストに待ち構えたように電話がかかってきた。こうなるともう私のストーカーといっても過言ではないだろう。旅行中に何かトラブルでもあったかと恐る恐る電話を代わると、「フランクフルトの空港で20分遅延になった」とのこと。で、私にどうしろと?