本当の負け犬とは

今週の「トラベル・ジャーナル誌」のヘッドラインは、『負け犬市場へのアプローチ』。『負け犬』って一種の流行語らしく、「未婚・子なし・30代」の女性を指す言葉で、酒井順子の著書がもとになっているとのこと。『負け犬』と、本人達が名乗るのは構わないけど、マーケティングする人が決め付けるのは失礼だろう。

だいたい、彼女達は本当に「負けた・・・」なんて思っていないはず。じゃ、既婚・子持ちがどれだけ勝ち組なのか、と言えば、「アタクシ、勝ちましてよ。幸せ過ぎて有頂天よ、オホホホ」って人、周囲にはいない。私の友人に、未婚・子持ちがいるが、もしかして彼女が一番幸せかも。しかし、それにしてもまだ30代の今、勝った負けたの結論を出すのは早すぎるうえ、こんなに価値観が多様になった時代に、簡単に勝敗が決められるような人生などないと思うが。

その、『負け犬層』の女性達は、旅の目的意識が高く、他の人達が行くような凡庸な場所には行きたがらず、一人で行動することを厭わないうえお金に糸目をつけない、と言われている。これを何とか旅行市場に取り込みたいとの浅はかな考えらしい。しかし、マーケティングとは本来多数派を狙って設定するもの。多数派になりたくないその層を、あえてざっくりマーケティングするなんてできるのだろうか。私だったら、ほっといてもらいたい。

それより、その女性達はまだ旅に出ているのだから前向きで良い。私としては、未婚・自宅・30代の男性達の方が気になる。私の周りにもうじゃうじゃいるが、海外どころか、お休みの日は家からも一歩も出ない人が多いこと。たまに海外出張の申し込みに来ると、「パスポート、取ったっけな〜?確か一次旅券を取った気がするな〜」とか言っていた。今一次旅券があるのは公用旅券のみ。君はそう見えて外交官なのか?同じ民間会社にいると思っていたが。

また後日、「あったよ、パスポート!数次で取ってたよ〜」と言うので見たら、なんか、ちと大きなサイズ。海外渡航先に「北朝鮮を除く」って書いてある。いっ、いったい、いいいつのだよっ。もちろん失効しているから取り直しなんだけど、それでもまだ「1回しか行かないから一次旅券でいいよ」と言い張るんだよなー、まずはこういう男どもからマーケティングしてくれ。