嘘を言う機会を逃す

昨日は、エイプリルフール。たぶん、エイプリルフールを意識している大人は、私くらいのもの。大人のエイプリルフールにふさわしい嘘を、朝から考え続けていたのだが、年度始めのため忙しくてそれどころではなかった。そうこうしているうちに昨日が終わっちゃったよー。また来年まで待つのか。つらい。

しかし、こういう時に限って、誰も年を聞いてこない。もうこちらでは嘘を言う気満々で用意しているのに。しまった。定期券は昨日買っておくんだった。で、20歳位サバよんで買ってみる。来年はこれにしよう。ギャー来年が楽しみー!

昨日、嘘を言う機会が一度訪れた。私の前の席のおば様が、懐かしげに昔の写真を見ているのを発見したのだ。そのおば様は、もう60才近いが色白で小柄で、昔はかなりの美人だったよう。一度お酒の席で、「本当に○○さんは、すごい美人だったんでしょうね」と私が言うと、隣の席の男も便乗して誉め始め、「いやほんと、今だってみかんさんは○○さんの足元にも及びませんよ」との発言が。私もにこやかに同意するも、心の中では「ヤロ〜、覚えとけよ」と何度コブシを握り締めたか。

だが、彼女を誉めるときの注意点として、「昔は」と限定すると機嫌が悪くなると言う事があげられる。以前友達と話し合った時には、「昔」「若いころは」という言葉を入れずに誉めてみよう、という結論に達した。模範解答は「○○さん、モテるでしょう」であり、「昔、モテたでしょう」はかなりのマイナス。彼女と一番話す機会の多い私は、そんな失言をしないように練習してみたりしていた。

そして、昨日ようやくその練習の成果が報われる時が!見せられた写真は、お習字の発表会で、着物を着こなした彼女の姿は、かなりの美女っぷり。今だ!と思って「○○さん、」と言ったまでは良かったのに、次になぜか禁句中の禁句「昔」といってしまった。しかしもう会話は止められない。結局、「○○さん、昔モテるでしょう」という、時制を無視したセリフになってしまった。

しかし彼女はちょっと気を良くしたか、モテモテ話を機嫌よく話しだしたので、「昔」は聞えなかったようだと、私も安心。和やかな雰囲気のまま会話は終了。私が額の汗をそっと拭って席に付こうとしたそのとき、「昔って言ったわね」と本人からの鋭い突っ込みが。アラ、聞えてたのね。