宇宙ネコのその後

私が一緒に暮らしている、地球の生き物で言えば限りなく猫に近い生き物は宇宙人。日々、宇宙と交信して地球人の情報を流している。夜、いきなり前触れもなく廊下を何往復かダッシュし始めるが、たぶんあれがヤツなりの交信の仕方なのだろう。ちゃんとふるさとの星に届いているかな。届いてないように思えるが。

昨日、窓から外を見ていた猫が、ちいさな声で「ふにゃっ、ふにゃっ」と言い出した。外に烏がいる時は、もう少し大きな声で「にゃっ、にゃっ」と言うはずなので、一体今度は何かと見てみると、遠くに長細い飛行物体が。まさか、お迎え?まだ二年しか一緒に暮らしてないし、三年目の予防接種もしてないっていうのに・・・。

昨日の夜、風呂場で滑ったのを笑ったのがいけなかったのか、猫缶の中身をまるごと床に落としちゃったのがバレたのか。よその猫は飼い主と一緒に寝ている事を知ってしまったか、鯛焼きは魚ではない事に気づいたか、さまざまな可能性が頭をよぎった。しかし、良く見ると、ただの飛行機。葉巻型UFOというわけではなかった。それを寂しそうに見送る猫。ふふふ、まだお迎えは来ないようね・・・。

そんな地球でのホストファミリーである私の家でも、そろそろ花見に行く計画が持ち上がっているが、この宇宙ネコの大好物は、1.品川巻の海苔 2.安物の鰹節 3.ヨーグルト 4.鯛焼き。そして、日ごろは食べさせてもらえないが、結構上位に「花」がくる。来客のある日にチューリップを飾っておいたら、お客さんが来る前に食べ始めようとしたので、寸前で羽交いじめに。蘭の花を貰った時も、普通に花瓶に生けることができず壁につるすはめに。それでも一番近くて一番高い家具の上からジャンプして、撃沈。それからは、毎日花の下で未練がましくうっとり見上げるようになった。

近くに桜の名所があるので、地球の風習を紹介するために、今年は宇宙ネコを連れて行っても良いと思っているが、あんなに大量のお花を見たら絶対に食べようとするに決まっている。「花より団子」ではなく、「花が団子」なヤツ。一応先週土曜日に下見に行ったら、まだ開花したてといったところ。今週土曜日決行予定。晴れますように。