奥さんの無駄なジェラシー

飲み会の話はまだあった。以前の会社に、とってもイケてない男性社員がおり、友達の一人はまだ彼と同じ会社に在籍している。彼は35歳。何がイケていないかと言えば、まあ外見はこの際置いておいて、コミュニケーションが苦手なこと。旅行手配という仕事は情報が命でもあり、わずかなことを知らなかっただけで大きなトラブルに発展しがち。なので、情報の交換や小さな疑問の投げかけなどがどうしても必要な職場。

なのに、そいつときたら毎回毎回、航空会社から得た大切な情報を、自分のものだけにして人に教えない。シンガポール航空のクラスが変わったときなど、どれだけ取り直しに苦労した事か。何かまた腹が立ってきた。あのやろ〜。

ところがその彼が最近ご結婚したらしい。知り合ったのはインターネットの出会い系サイト。私が知っている限りでも、この方法で結婚したカップルが2組いる。私も70歳くらいになったら、めっきり少なくなるだろう同年代の友達と出会うのに使いたい。それはともかく、課の新年会で友達がその男の隣席になったそう。

別に興味はなかったのに、ついうっかり結婚生活について聞いてみると、奥さんはとっても心配性らしい。「飲み会は基本的に出席不可。出席する場合は、誰とどの店にいくのか事前報告必須」なんだって。友達は愚かにも、「何で?」と聞いてしまったらしいが、答えは「いや〜、女性と飲みに行くと心配らしいよ。」というような、色男しか口にできないはずのセリフに決まってる。

友達は即座に、「えっ、奥さん安心して。全然そんな心配ないよ。誰もアンタのダンナを意識してないから。むしろ、いる事すら気付かん。」と思ったらしいが、とりあえず沈黙。それより私としては、その男がその日の新年会のメンバーを、奥さんにどう描写して出席許可をもらったのかを突っ込んでもらいたかった。きっと、「大丈夫だよ、今日のメンバーは上司と、くたびれた女どもだけだから」とか言ってるんじゃないのか?