私をターゲットとしていないお店

私が社会人になった頃は、会社に着て行く服はスーツしか許されていなかった。今は上品なカジュアルが主流になっているので、休日に着まわしができてありがたい。昔のスーツは5万円位して、「一生モノだから」と自分に言い聞かせながら買ったが、モノはともかくデザインは10年も持たなかったな。もったいないので捨てられないが、肩パッドがどどーんと入ってたり、激しいダーツがビシバシ入っていたりするいわゆるボディコン服で、これを粋がって着ていた自分が恐ろしい。

よく航空会社のクリスマスパーティなどにこんな服を着て行ったが、まわりももちろん同じような服で、しかもパステルカラー。当時は、ピンキー&ダイアンが流行っており、それさえ着ていれば恐れるものなし、言われていた。しかし、最近イトーヨーカドーピンキー&ダイアンの服が売られているのを発見。あなたのこと、一生の付き合いだと見込んでいた私ったら・・・。

私はファッション雑誌を買わないのでわからないが、今30代の女性は何を着ているのだろう。よく30代向けの雑誌を美容室などで読んでいると、コート一着20万円とか、靴が一足3万円とかフツーに掲載されているが、あれを買えるのはIT業界の風雲児の奥様か。一般人はデパートでよくある「ヤングミセス向けコーナー」で買ったりしているのだろうか。しかしヤングミセスって、あまりにもざっくりした分類の仕方。

私が服を買う店は、私など年齢的ターゲットの埒外にしているお店。お値段もお手ごろで、JUNというブランドの妹版みたいな位置づけなので、たぶんターゲットは10代後半から20代半ば。そしてそんな若者向けの店に恥ずかしげもなく入って、色々物色して試着した挙句何も買わなくてもぜーんぜん気にならない私のような人物こそ、その店が一番敬遠したいアンチターゲットな人物のはず。

色もキレイでシンプルだし、デザイン素材も上質で何もいうことはないのだが、ただひとつ、お買い上げの時、お店の出口まで店員さんがお見送りしてくれるのが難点。たぶん、社内のマニュアルで、「お客様は、お金を頂いた後にもお見送りすること。」と書いてあるのだろうが、やめて〜。7割引で千円以下のTシャツを買った時も、「いくらなんでも今日のお見送りはないだろう」と思ったのだが、きっちり出口のドアまで開けてもらって、丁寧なご挨拶が。あなたの時給以下のTシャツなのよ・・・知ってるくせに。