よその会社の海外出張精算書に踊らされる

最近、海外出張に関わる全ての業務を代行する、という形態で手配を承る旅行会社が増えた。私も以前、海外出張の申請承認から、仮払金の申請、外貨の準備、出張精算書の作成までしてようやく終了、という契約の会社の担当だったことがある。費用負担部署がどこなのかでモメたり、実際の旅行とは関係ない業務が多すぎて同僚には不評だったが、私はとても楽しみにしていた。それというのも出張精算書のチェックがとっても面白かったのだ。

海外に行くとハジける人がなんて多いこと。もちろんそんなもの経費につける人はいないのだが、ホテルから貰った領収明細に「MOVIE 20$」なんて書いてあるよー!一生懸命油性ペンで横線を引いてあるのだが、そのせいで余計に文字が浮き上がって見える。「きっと日本語の字幕がなかったとしても、ぜひ見たい名作映画をやっていたんだな」と思ってあげるようにしているが、恐らくその可能性は100%ないであろう。

また、その会社では、ジャカルタに出張すると誰でも必ず「クラブ裕次郎」という飲食店に行き、一晩で7〜8万位接待で使っているのだ。もう、その会社からジャカルタの出張手配を受けた時には、ついでに「クラブ裕次郎」の予約まで入れてもいい位である。こういうの、会社の総務の女性などが見たら嫌な気分になるだろうな。旅行会社に委託して正解だったよ。

レストランの領収書も突っ込みがいがあった。例えば、355.5$を飲食代で使ったとしたら、そこはチップを入れて合計金額がキリの良い400ドルになるよう適当に払えばよいものを、わざわざ25%を律儀に計算してちまちました端数でお支払いしていたり。しかし、25%は払いすぎのような気がするが。

中国の領収書も困ったものだった。領収額の欄に、中国元で「参玖陸捌元」と書いてあったりしたら、もう領収書を捨ててしまいたい。「参」は3だとしても、あとは思い切って勘で精算してみるか。しかしそうすると、日本の領収書で「壱萬弐百八拾円」なんて書いてあるものをアメリカ人が持ち帰って精算しようとしたら、きっと泣いているだろうな。同じ日本人でも良くわからないと思う位だし。